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広島に入団したヘルウェグは、自身がMLBで白星を挙げた試合に出場した選手では、7人目のNPB経験者に

宇根夏樹ベースボール・ライター
2013年の開幕戦。右がブルワーズ。6月デビューのヘルウェグはこの列にはいない(写真:ロイター/アフロ)

 広島東洋カープは6月26日に「ジョニー・ヘルウェグ(Johnny Hellweg)選手との選手契約が合意に達しました」と発表した。

 メジャーリーグで、ヘルウェグは通算8試合に登板している。すべて2013年で、当時はミルウォーキー・ブルワーズに在籍していた。1勝4敗、防御率6.75。唯一の白星は、5登板目(4先発目)の9月7日に挙げた。6回3失点だった。

 この試合に出場した32人には、その前後を問わず、日本プロ野球でプレーした選手が6人いる。ヘルウェグは7人目となる。

 ヘルウェグのチームメイトには、青木宣親(現・東京ヤクルト・スワローズ)、ユニエスキー・ベタンコートホアン・フランシスコがいた。対戦したシカゴ・カブスにも、同じく3人。イム・チャンヨン(林昌勇)、ネイト・シアーホルツブライアン・ボグセビックがそうだ。

 日本プロ野球からメジャーリーグへ行った青木とイムを除くと、残る4人は――単なる偶然だろうし、ヘルウェグと違っていずれも野手だが――日本プロ野球で2年目を迎えることはなかった。ちなみに、ヘルウェグが通ったフロリダ大の先輩には、西武ライオンズでプレーしたオレステス・デストラーデがいる。オーレは1990~92年に、3年続けて本塁打王を獲得した。

筆者作成
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 2mの身長とともに、ヘルウェグのプロフィールで目につくのは、メジャーデビュー前年のトレードだ。2012年の夏、ブルワーズはザック・グレインキー(現アリゾナ・ダイヤモンドバックス)を放出し、交換にロサンゼルス・エンジェルスから若手3人を獲得した。ヘルウェグはその一人だった。

 ただ、エースと引き換えに手に入れた3人のうち、期待を一身に背負っていたのはジーン・セグーラ(現シアトル・マリナーズ)だ。当時の記事の冒頭で、ESPNは「遊撃手のジーン・セグーラとダブルAの2投手」、APは「新人遊撃手のジーン・セグーラと2人のマイナーリーグ投手」と報じた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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