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「ミスター・サヨナラ本塁打」現る。ここ3本のホームランはすべてサヨナラ!!

宇根夏樹ベースボール・ライター
チャーリー・カルバーソンとピーター・モイラン(右)Jun 3, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月3日、チャーリー・カルバーソン(アトランタ・ブレーブス)が9回裏に代打サヨナラ本塁打を放った。カルバーソンはこの6日前にも、同じく9回裏に代打サヨナラ本塁打を打っている。

 カルバーソンのサヨナラ本塁打は通算4本だ。ジム・トーメイが記録した史上最多の13本と比べると、3分の1にも満たない。ただ、トーメイは通算612本塁打(8位)を放った。それに対し、カルバーソンは通算8本。その半分をサヨナラ本塁打が占める。ホーム・ゲームに限れば、5本塁打のうち4本だ。ちなみに、サヨナラ本塁打4本は、通算573本塁打(12位)のハーモン・キルブルーと並び、通算555本塁打(15位)のマニー・ラミレスよりも1本多い(マニーのサヨナラ本塁打は、ポストシーズンを含めると4本)。

 また、今シーズンはコルテン・ウォン(セントルイス・カーディナルス)もサヨナラ本塁打を2本打っているが、ウォンはそれ以外のホームランも2本記録している。一方、カルバーソンは2本のサヨナラ本塁打がすべてだ。他のホームランはまったくない。

 しかも、今シーズンの1本目は、ロサンゼルス・ドジャース時代の2016年9月25日に打ったサヨナラ本塁打――ビン・スカリーのラスト・ゲームで地区優勝を決めた――以来のホームランだった、つまり、通算6、7、8本目のホームランはすべてサヨナラ。これまで、間に他のホームランを挟まずにサヨナラ本塁打を3本打った選手はいなかった。

 まさかとは思うが、今後もホームランの半分がサヨナラであれば、カルバーソンは通算28本塁打の時点で、トーメイのサヨナラ本塁打13本を上回る。なお、MLB.comのマーク・ボウマンによると、通算30本塁打以下でサヨナラ本塁打5本以上は、1991~2000年にプレーしたクリス・ジョーンズ(30本中5本)だけだという。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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