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5イニング以上を投げてセーブを記録。従来の投手起用を覆すチームがまたしても!!

宇根夏樹ベースボール・ライター
オースティン・プルーイット(タンパベイ・レイズ)Aug 13, 2017(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月27日、オースティン・プルーイット(タンパベイ・レイズ)が4回表1死から試合終了まで投げ、被安打3、与四球0、奪三振5、失点0で、シーズン初セーブを挙げた。

 4年前のワールドシリーズ第7戦では、マディソン・バムガーナー(サンフランシスコ・ジャイアンツ)が5イニング・セーブを記録しているが、レギュラーシーズンに5イニング以上を投げてセーブを挙げたのは、2002年のホアキン・ベノワ(当時テキサス・レンジャーズ/現ワシントン・ナショナルズ)以来、16年ぶりのことだ。

 また、セーブが公式記録となった1969年以降、5イニング以上のセーブは11度目(レギュラーシーズン)。そのなかで、プルーイットの5.2イニングは3番目に長い。ベノワの7イニングとオラシオ・ピーニャの6イニング(1972年)に次ぎ、ボブ・ロッカー――ジョン・ロッカーではないし、親戚でもない――の5.2イニング(1970年)と並ぶ。

 今シーズン、レイズのケビン・キャッシュ監督は従来の投手起用を覆し、リリーフ投手を先発させている。先日、「通算588救援のベテラン投手が初めて先発マウンドへ。この起用は大谷翔平も理由の一つ」で紹介したセルジオ・ロモは、5月19日の初先発を皮切りに、20日と25日、そして、プルーイットがセーブを挙げた27日も先発として投げた(この間に救援登板はなし)。9日間に4先発は、イライアス・スポーツ・ビューローによると、1975年のクロード・オースティン以来だという。26日に先発したライアン・スタニックも、それまでの通算27登板はすべてリリーフだった。

 レイズの投手による珍しい記録は、ロモとプルーイットにとどまらないかもしれない。投手陣全体としても、このままのペースであれば、先発投手の平均投球回が5イニング未満という、2012年のコロラド・ロッキーズに続く史上2チーム目、ア・リーグでは初の記録を樹立する。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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