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カード・コレクターのリリーフ右腕が大谷翔平の直筆サイン・カードを引き当てる

宇根夏樹ベースボール・ライター
パット・ニシェック(フィラデルフィア・フィリーズ)Jul 11, 2017(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 パット・ニシェック(フィラデルフィア・フィリーズ)は右肩を痛め、故障者リストに入っている。ということは、右腕ではなく左腕で大当たりを引き当てたのだろうか。ニシェックが開封したカードのパックには、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)の直筆サイン・カードが入っていた。

 しかも、カードの右上には「01/69」と書いてある。69枚限定の1枚目ということだ。ebayでは、ナンバー違いの同じ直筆サイン・カードが1850ドル~5295ドル95セントで出品されている。なお、このカードには、サインが入っていないものと青インクの直筆サイン入り(ナンバリングなし)も存在する。

 投げられない間の暇つぶしとして、ニシェックはカードを開封したわけではない。1月に「大谷翔平の会見コメント以上に笑えた、背番号「17」を巡るジョーク」でも書いたが、ニシェックは球界屈指のメモラビリア・コレクターだ。

 昨年9月、ニシェックはカード・コレクターが集うウェブの掲示板に、ザック・グレインキー(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)に対する文句を綴った。それによると、ニシェックはオールスター・ゲームで、カードにサインをしてほしいとグレインキーに頼み、快諾を得た。ところが、後半戦に再び顔を合わせた時にカードを持っていくと、グレインキーはサインを拒絶したという。

 大谷がグレインキーのようなことをするとは思えないが、ニシェックが引き当てたカードにサインが入っていなければ、大谷に書き込んでもらう機会は(少なくとも、今シーズンはニシェックが途中で移籍しない限り)なかっただろう。レギュラーシーズンで、フィリーズとエンジェルスは対戦しない。また、ニシェックは2014年と2017年にオールスター・ゲームに選ばれているものの、クローザー以外のリリーフ投手が選出されることはそう多くない。

 ニシェックはクローザーではないし、開幕から出遅れている。ちなみに、過去2度のオールスター・ゲーム選出は、どちらも6月を終えた時点で30試合以上に投げ、防御率0点台だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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