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福岡ソフトバンクで竜頭蛇尾に終わったスラッガーは、アメリカへ戻ってもそれを繰り返す!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
K.ジェンセンはM.バムガーナーからMLB初本塁打を打った Sep9, 2016(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨シーズン、福岡ソフトバンク・ホークスにいたカイル・ジェンセンは、6月の一軍デビュー戦でホームランを放った。ジェンセンはその前に、二軍で10本塁打を記録していた。だが、その後は5試合に出場してノーヒット。再び一軍の試合に出場することはなかった。

 ジェンセンは1月にサンフランシスコ・ジャイアンツとマイナーリーグ契約を交わし、ノン・ロースター・インバイティ(キャンプ招待選手)として、スプリング・トレーニングに参加した。そして、エキシビション・ゲーム(オープン戦)最初の10試合で5本塁打を叩き込んだ。

 この時点の打率は.545。6安打のうち5本がホームランで、2本目はサヨナラ・グランドスラムだった。また、今春のカクタス・リーグとグレープフルート・リーグでは、計31人が5本塁打以上を記録したが、ジェンセンより先に5本目を打った選手は、クリーブランド・インディアンズのジェイソン・キプニスしかいなかった。ただ、ジェンセンはその後の12試合で16打数3安打(打率.188)。6本目のホームランは打てなかった。

 4月5日、ジェンセンはジャイアンツ傘下のAAA、サクラメント・リバーキャッツで開幕を迎える。好スタートを切り、昨シーズンと今春のような竜頭蛇尾に終わらなれば、昇格の機会は巡ってくるはずだ。

 現在のジャイアンツには、真のロング・ヒッターがいない。本拠地の特性なども理由だが、2004年にバリー・ボンズが45本塁打を放ったのを最後に、シーズン30本以上の選手は途絶えている。昨シーズンのチーム128本塁打は両リーグで最も少なく、20本以上の選手は2年続けて皆無だった。オフに加入したアンドルー・マッカッチェンエバン・ロンゴリアも、ロング・ヒッターではない。マッカッチェンは過去7年とも20本塁打以上を打っていて、ロンゴリアも5年連続ながら、35本を超えたのは2016年のロンゴリア(36本)だけだ。

 2年前、ジェンセンはアリゾナ・ダイヤモンドバックス傘下のAAAで30本塁打を打ち、9月にメジャーデビューを果たした。この時も、メジャーリーグ最初の8試合は打率.286、2本塁打、その後の9試合は打率.118、0本塁打だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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