MLBの殿堂候補。松井秀喜らが加わった一方、通算300盗塁や通算300セーブの選手が候補になれず
今回の殿堂入り候補には、松井秀喜ら19人が新たに加わった。彼らは2012年限りで引退するか、少なくともこの年を最後にメジャーリーグではプレーしていない。
メジャーリーグで10年以上プレーし、引退から5年経てば、誰もが候補になるわけではない。審査委員会の6人中2人から推挙される必要がある。なお、この場合のプレー年数は、シーズン出場1試合でも1年と数える。オールスター・ゲームのファン投票とは違い、候補者以外に投票する「ライト・イン」は認められていない。
スコット・ポセドニックは2004年に盗塁王を獲得し、11シーズンで309盗塁を決めたが、候補にはなれなかった。野手では、アダム・ケネディ、ジャック・ウィルソン、ニック・ジョンソンらもそうだ。
先発投手には、ベン・シーツ、ジェフ・スーパン、カール・パバーノらがいる。先発として248試合、救援として410試合に投げたミゲル・バティスタも、候補から漏れた一人だ。フランシスコ・コーデロ、ブライアン・フエンテス、ギレルモ・モタの3人は、一度も先発することなく650試合以上に登板した。
コーデロが積み上げた329セーブは、歴代15位に位置し、今回から候補となった投手の誰よりも多い。ジェイソン・イズリングハウゼンは300セーブ(26位タイ)、ブラッド・リッジは225セーブ(41位)だ。
コーデロは防御率(3.38)でも、イジー(3.64)とリッジ(3.54)を凌ぐ。セーブ率(セーブ÷[セーブ+セーブ失敗])は、3人のなかでコーデロ(81.2%)が最も低いが、イジー(82.4%)とリッジ(83.3%)と比べ、そう劣るわけではない。
もちろん、2人とコーデロには違いがある。例えば、イジーとリッジはポストシーズンでもクローザーを務め、歴代5位タイの11セーブと2位の18セーブを挙げているのに対し、コーデロはポストシーズンでは1球も投げていない。
それでも、殿堂入り候補の選出にあたり、2人とコーデロを分けたのは、紙一重の差だった気がする。
ちなみに、2010年に地区優勝を果たしたシンシナティ・レッズで、コーデロは40セーブを記録した。だが、レッズはディビジョン・シリーズ(地区シリーズ)において、リッジのいるフィラデルフィア・フィリーズにスウィープを喫し、コーデロは3試合とも登板することなく、オフを迎えた。