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本塁打王、MVP、そしてトレード。スタントンもあの選手と同じ道を辿る!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ディー・ゴードン(左)とジャンカルロ・スタントン Aug 10, 2017(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ナ・リーグのMVPに選ばれたジャンカルロ・スタントン(マイアミ・マーリンズ)には、トレードの噂が浮上している。

 これまで、MVPに輝き、そのオフにトレードされた選手は2人いる。1914年にMVPを受賞したエディ・コリンズは、その年の12月にフィラデルフィア・アスレティックスからシカゴ・ホワイトソックスへ移籍した。2003年にMVPを得たアレックス・ロドリゲスは、翌年2月にテキサス・レンジャーズからニューヨーク・ヤンキースへ移った。コリンズは5万ドル、A-ROD(+金銭)は2選手との交換。アルフォンソ・ソリアーノと後日決定選手のワーキン・アリアスが、ヤンキースからレンジャーズに移籍した。

 当時のA-RODと今シーズンのスタントンには、MVPのみならず、いくつもの共通点がある。2人とも本塁打王を獲得し、プレーするチームは負け越した。MVPの受賞が決まった時点の年齢も同じ。A-RODは7月、スタントンは11月に28歳を迎えた。

 また、A-RODは10年2億5200万ドルの3年目が終わったところだった。スタントンがマーリンズと交わしている13年3億2500万ドルの契約も、スタートから3年が過ぎた。前者は当時の史上最高総額、後者は現在の史上最高総額だ。

 さらに、どちらにも、デレク・ジーターが絡んでいる。A-RODはそれまで遊撃を守っていたが、ヤンキースの遊撃にはジーターがいるため、三塁へ移った。マーリンズでスタントンの放出あるいは残留を最終的に決断するのは、CEOのジーターになるだろう。

 なお、A-RODは2007年のオフに、契約を途中で途中で打ちきれる「オプト・アウト」の権利を行使し、FAとなって10年2億7500万ドルでヤンキースと再契約をした。スタントンの契約にも、2020年のオフに行使できる「オプト・アウト」がついている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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