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1試合4本塁打の16人中、通算200本未満は4人だけ。17人目のジネットは通算42本から何本増やす?

宇根夏樹ベースボール・ライター
スクーター・ジネット(シンシナティ・レッズ)Jun 5, 2017(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

6月6日、スクーター・ジネット(シンシナティ・レッズ)が史上17人目の「1試合4本塁打」を達成した(1試合5本はいない)。今シーズンが5年目のジネットは、前日まで通算38本塁打しか打っていなかった。

ただ、通算50本塁打未満の選手による「1試合4本塁打」は、過去にも2度起きている。1894年5月30日(ダブルヘッダー第2試合)に史上初の達成者となったボビー・ロウは、前日の時点で通算28本。1993年9月7日(ダブルヘッダー第2試合)に記録したマーク・ウィッテンは、ジネットと同じ通算38本だった。ちなみに、「グランドスラムを含む1試合4本塁打」は、ウィッテンとジネットの2人しか成し遂げていない。

一方、その後の本塁打が最も少ないのは、1948年7月18日(ダブルヘッダー第1試合)に4本を放ったパット・セアリーだ。そこから積み上げた本塁打は8本に過ぎなかった。

前後の本数は、キャリアにおける達成時期に左右されるとはいえ、ジネットを除く達成者16人を通算本塁打の少ない順に並べると、ロウ(71本)、セアリー(86本)、エド・デラハンティ(101本/1896年7月13日に達成)、ウィッテン(105本)となる。他の12人は、いずれも200本以上の本塁打を打った。

ジネットは内外野を守るユーティリティであって、レギュラーではない。これまでの本塁打の少なさと併せて考えれば、通算200本以上の達成者12人よりも、ロウやウィッテンらの4人に近そうだ。

もっとも、ジネットはまったくのノンパワーというわけではない。昨シーズンはミルウォーキー・ブルワーズの正二塁手として、14本塁打を放った。シーズン30二塁打以上は、2014年と昨シーズンの2度を数える。

過去には、30歳近くになってからパワーを開花させた例もある。ジネットは27歳。ひょっとすると……。

今シーズンのジネットは、打率.306&7本塁打と好調だ。ポジションこそ流動的ながら、6月4日以降は5試合続けてスターティング・ラインナップに名を連ねている。

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ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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