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外野を守るのは3人ともガルシア。メジャーリーグ初の椿事を生んだのは「出産」だった

宇根夏樹ベースボール・ライター
左から、M.カブレラ、A.ガルシア、A.イートン Aug 6, 2016(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

4月14日のミネソタ・ツインズ戦で、シカゴ・ホワイトソックスが歴史を作った。この日のスターティング・ラインナップには、「5番ライト」にアビサイル・ガルシア、「7番レフト」にウィリー・ガルシア、「9番センター」にはルーリー・ガルシアが名を連ねた。イライアス・スポーツ・ビューローによれば、先発出場した外野手が3人とも同じラストネームというのは、メジャーリーグ史上初のことだ。

サンフランシスコ・ジャイアンツでは、1963年9月に、フェリペマティヘススアルー3兄弟が同時に外野を守った。しかし、3人が揃って先発出場した試合はなかった。ちなみに、ホワイトソックスにいる3人のガルシアに血縁関係はない。ウィリーとルーリーはアルー兄弟と同じドミニカンだが、アビサイルはベネズエランだ。

アビサイルはレギュラーで、ルーリーはジェイコブ・メイとセンターのポジションを分け合っている。一方、ウィリーは前日までAAAにいて、この試合でメジャーデビューした。3人を紹介するホワイトソックスのツイートを見ても、ウィリーのホーム用ユニフォームには背番号がない(4月14日の試合はアウェーで行われた)。

週明けにも、ウィリーはAAAへ戻されるだろう。今回の昇格は、メルキー・カブレラが「父親リスト」に入ったためで、一時的なものに過ぎない。メルキーの妻は、無事に女の子を生んだ。夫妻にとっては4人目の子供だが、シカゴ・トリビューンのコリーン・ケインの記事によると、これまでメルキーが出産に立ち会ったことはなかったという。

試合は2対1でホワイトソックスがツインズを下し、3人のガルシアはそれぞれヒットを打った。ウィリーは初打席で左中間を破る一打を放ち、三塁でアウトになったものの、二塁打を記録した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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