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永久欠番ではないのに、レンジャーズがあの背番号の使用を許可しなかった理由

宇根夏樹ベースボール・ライター
テキサス・レンジャーズ Apr 5, 2017(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

テキサス・レンジャーズは、ジョニー・オーツの「26」とノーラン・ライアンの「34」を永久欠番としている。この夏はそこに、イバン・ロドリゲスの「7」も加わる。ジャッキー・ロビンソンの「42」は全球団共通の永久欠番だ。

さらに、この他にも、球団が使用させない背番号がある。WFAAスポーツのレビ・ウィーバーは、4月初旬にこうツイートした。

「長い間、チーム方針なのかそうでないのか、問われていたことに答えよう。少なくとも1人のレンジャーズの選手が、背番号69を希望してノーと言われた」

この選手が誰かはわからないが、レンジャーズが許可しなかった理由は想像がつく。少年少女も観戦するメジャーリーグにおいて、「69」はふさわしくないということだろう。これまでも、レンジャーズで背番号「69」のユニフォームを着た選手、監督、コーチはいなかった。

どうやら、そう考えているのはレンジャーズだけではないらしい。各球団のアクティブ・ロースターに入っている25選手、監督、コーチをMLB.comで調べてみたところ、背番号「69」は皆無だった。

前後の背番号もそう多くはない。とはいえ、「68」はデリン・ベタンセス(ニューヨーク・ヤンキース)、ロス・ストリップリング(ロサンゼルス・ドジャース)、マット・バーンズ(ボストン・レッドソックス)、「70」はジョージ・コントス(サンフランシスコ・ジャイアンツ)やジョー・マッドン監督(シカゴ・カブス)が使用している。この他にもいるかもしれない。

過去にはわずかながら、背番号「69」の選手もいた。なかでも、ピッツバーグ・パイレーツでは、2000年以降に4人が「69」を背負った。ただ、彼らの「69」時代はメジャーデビューしたシーズンだけか、長くても3年目まで。4人のうち、今もパイレーツでプレーするジョーディ・マーサーは、メジャーリーグ2年目から背番号を「10」に変えた。

パイレーツに限らず、背番号「69」のユニフォームを着て、メジャーリーグでキャリアを築いた選手は見当たらない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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