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今秋のアメリカ大統領選はヤンキースとカブスの一騎打ち!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ドナルド・トランプ(左)とポール・オニール March 8, 2016(写真:ロイター/アフロ)

2人の元メジャーリーガー、ポール・オニールジョニー・デーモンが、相次いでドナルド・トランプ支持を表明した。

3月8日、トランプは会見の壇上からオニールを指差して紹介し「アイ・ラブ・ユー」と声をかけた。ワシントン・ポスト紙のベン・テリスのツイートによれば、オニールは自身を熱烈なトランプのサポーターだと言ったという。

その2日後には、ニューヨーク・デイリー・ニューズ紙のクリスチャン・レッドらが、デーモンについて報じた。記事によると、デーモンは3月9日に「大統領になってほしい。7、8年前に会って以来、トランプのファンなんだ」とデイリー・ニューズ紙に語ったという。

オニールはメジャーリーグの2チーム、デーモンは7チームでプレーした。そこに共通するチームは、ニューヨーク・ヤンキースだ。時期は重なっていないものの、2人ともヤンキースでワールドチャンピオンに輝いた。

トランプは自らツイッターで明かしているように、ヤンキースのファンだ。昨年11月にはFOXスポーツの番組で「スポーツのチームを所有するなら?」とコリン・カウハードに訊ねられ、「俺はニューヨーク出身だから、ヤンキースだな。(ヤンキースのオーナーだった)ジョージ・スタインブレナーは俺の親友で、素晴らしい仕事をしていた」と答えている。

一方、ヒラリー・クリントンはイリノイ州のシカゴ近郊で育ち、シカゴ・カブスを応援している。カブスの本拠地リグリー・フィールドで始球式を行うだけでなく、実況席から「テイク・ミー・アウト・トゥ・ザ・ボール・ゲーム(私を野球に連れてって)」を歌ったこともある。

2月22日、トランプはこうツイートした。

「シカゴ・カブスを所有しているリケッツ家は、俺を貶めるためにこそこそと金を費やしているらしい。あいつらには気をつけた方がいい、たくさん秘密がありそうだからな」

これは、トランプに対するネガティブ・キャンペーンを行う団体に、トム・リケッツの母が300万ドルを寄付したことを指している。リケッツは直後の会見で、秘密ではないことを明かし、「母を脅すなんてどうかしてるんじゃないか」と語った。

トランプがカブスのオーナーを攻撃したのは、ヒラリーがカブスのファンであることからきている、というのは考えすぎだろうか。

今秋には、ワールドシリーズでヤンキースとカブスが対戦し、大統領選ではヤンキースとカブスのファンが一騎打ち、なんてことが起きるかもしれない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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