ホームラン・ヒッターのアメリカン・ドリーム。今日はランボルギーニ、明日はアルファ・ロメオ、明後日は…
ラルフ・カイナーは言った。
「ホームラン・ヒッターはキャデラックに乗り、シングル・ヒッターはフォードに乗る」
元ネタはチームメイトの発言らしいが、これはカイナーの名言として広く知られている。カイナーは1946年から、7年続けて本塁打王を獲得した。そして、キャデラックに乗っていた。
ヨエニス・セスペデス(ニューヨーク・メッツ)も、どちらかに分類すれば、間違いなくホームラン・ヒッターに入る。2013、14年はオールスター・ゲームのホームラン・ダービーで続けて優勝し、昨シーズンはデトロイト・タイガースとメッツで計35本塁打を放った。
ただ、車に関する意見は、カイナーとは違うようだ。2月21日と22日、セスペデスはフォード・F-250に乗って、スプリング・トレーニングに現れた。
フォードと言っても、カイナーのセリフにあるような大衆車ではなく、いかついピックアップ・トラックだが、カイナーとの相違はそこではない。
23日はポラリス・スリングショット、24日はランボルギーニ・アヴェンタドール、25日はアルファ・ロメオ・8Cコンペティツィオーネ、26日はジープ・ラングラー、27日はポラリス・スリングショット。
セスペデスは連日、違う車でやってきた。前が2輪、後ろが1輪のスリー・ホイーラー(3輪)であるスリングショットにしても、23日と27日は別の車だ。一方はグレー地に赤、もう一方は黒地に青のカラーリング。また、6台ともカスタムメイドを施してある。
セスペデスが、ESPNのアダム・ルービンら報道陣に語ったところによれば、キューバにいた頃は車を持っておらず「バイクか徒歩」だったという。
これこそ、アメリカン・ドリームと呼ぶべきか。
同じキューバンのヤシエル・プイーグ(ロサンゼルス・ドジャース)も負けてはいない。TMZスポーツによると、プイーグはロビンソンR44というヘリコプターの購入を考えているらしい。それで球場に行くことを計画しているようだ。
ただ、こちらの「通勤」は実現しなさそう。
ロサンゼルス・タイムズ紙のアンディ・マカローは、こうツイートしている。
「ドジャースはヤシエル・プイーグに、ヘリコプターでドジャー・スタジアムに来ることは、理論上、無理だと告げた。連邦法に抵触するというのが、連邦航空局の見解だ」
【3月2日:追記】
3月1日、セスペデスはチームメイトのノア・シンダーガードとともに、それぞれ馬に乗って現れた。メッツのオフィシャル・ツイッターによれば、シンガーガードのアイデアだという。シンダーガードはバッティング・ヘルメットをかぶっていたが、セスペデスはカウボーイ・ハットで決めていた。