走者のスライディングに新ルール。本塁におけるブロッキングと同じようにビデオ判定も適用
2月25日、MLB機構と選手会が、今シーズンからスタートする3つのルールを発表した。
そのうち2つは、時間に関するものだ。
タイムを取ってマウンドへ行った監督やコーチは、ダグアウトを出てから30秒の間に、話し合いを終えてマウンドを去らなければならない。これまで、時間の規定はなかった。30秒をオーバーしても罰則はないが、審判から話し合いを終えるように告げられる。
通訳を介する投手の場合は、その分だけ時間を要するので、注意した方がいいかもしれない。
もう一方は、イニング間の時間短縮だ。昨シーズンは、テレビ中継がローカルの場合は2分25秒、全米ネットは2分45秒だったが、それぞれ20秒ずつ短くなり、2分5秒と2分25秒となる。
これらのルールはどちらも、球場に設置してあるタイマーがカウントダウンして残り時間を示す。
そして、今回最大の変更がスライディングのルールだ。
走者のスライディングは、ベースに達する前にグラウンドに着地し、手足のいずれかがベースに触れようとしていなければならず、本塁以外ではベースにとどまろうとする必要もある。スライディングの途中で、守っている野手との接触を目的に進路を変更することも禁じられる。
適切なスライディングであれば野手と接触しても問題はないが、併殺プレーの際に、審判が適切なスライディングでなかった、すなわちルール違反と判断すれば、打者と走者はともにアウトとなる。インスタント・リプレー(ビデオ判定)によって、そうなることもある。
これにより、激しいスライディングは減っていくと思われる。
ボールを持っていない捕手(あるいは本塁のカバーに入った投手や野手)は走者の進路をブロックしてはならないという、本塁衝突に関するルールについてのインスタント・リプレーは、スタートした2014年が92度、昨シーズンは27度のプレーで用いられた。
ちなみに、それらのなかで判定が覆ったのは、1年目が11度(12.0%)、2年目は2度(7.4%)だった。