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痛恨被弾で3連敗も、中日の大野雄大は立派なエース

豊浦彰太郎Baseball Writer

中日の大野雄大が3年連続2ケタ勝利を目前に、3連敗で7月を終えた。

7月31日の巨人戦では、初回に3失点もその後立ち直り4-7回はパーフェクト。しかし、8回2死から村田に痛恨の決勝3ランを献上してしまった。

「あそこで踏ん張ってこそエース」との厳しい評価もあるようだ。

しかし、降板時点で117球も投じている。8回に1死1-2塁のピンチでこの日2安打の右打ちの新外国人カステヤーノスを迎えた時点で、交代させてあげても良かったのではないか。カステヤーノス(結果は凡退だったが)、村田修一と右打者が続くからだ。

大野の失投を責めるより、継投のタイミングを誤ったことを悔いるべきかもしれない。この日に限らず、大野は終盤の失点が比較的多いからだ。やはり、夏場で疲労も蓄積しているはず。早目の交代を心掛けてほしいと思う。「エースたるもの」という精神論も分からぬではないが、そもそも現代の野球では先発投手が完投することを前提としていないのだから。

大野は結果的には3連敗だが、7月も5度の登板全てで6回以上を投げている(というか、今季全19登板で6回以上だが)。月間成績は2勝3敗で防御率は4.17も、防御率の悪さは6回で2本塁打を浴びて7失点だった24日のヤクルト戦が響いている。この登板を除けば、2.93となる。

あの前田健太〈広島〉ですら、31日のDeNA戦では2回6失点でKOされている。どんな大エースでも、長いシーズンこんな日もあるのだ。

苦しい展開が続くドラゴンズだが、大野に対しては「真のエースと呼ぶには、もうひとつ信頼がおけない」のではなく、「十分責任を果たしている」と評価してあげることが大切だろう。

Baseball Writer

福岡県出身で、少年時代は太平洋クラブ~クラウンライターのファン。1971年のオリオールズ来日以来のMLBマニアで、本業の合間を縫って北米48球場を訪れた。北京、台北、台中、シドニーでもメジャーを観戦。近年は渡米時に球場跡地や野球博物館巡りにも精を出す。『SLUGGER』『J SPORTS』『まぐまぐ』のポータルサイト『mine』でも執筆中で、03-08年はスカパー!で、16年からはDAZNでMLB中継の解説を担当。著書に『ビジネスマンの視点で見たMLBとNPB』(彩流社)

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