2022年のゴールデンウィークは大型連休も可能に

2022年のゴールデンウィークが始まりました。

今年は、4月29日から5月1日までの3日間と、5月3日から5日までの3日間が休日です。もしも、5月2日と6日に休暇をとることができれば、10日間という大型連休になります。

昨年のゴールデンウィークは緊急事態宣言の期間中だったので、とても外出する雰囲気ではありませんでした。しかし、今年は違います。

・【2022年のGW】24.4％が、去年のGWは「外出しなかった」が今年は「外出する予定」／日本トレンドリサーチ

日本トレンドリサーチが行った調査では、ゴールデンウィークに「外出する予定」が、昨年は27.2％でしたが、今年は42.1％に増えています。

飲食店の予約が回復

まん延防止等重点措置が解除されてから、飲食店の営業状況もだいぶ回復してきました。

大手飲食店予約サービスのTableCheckによる調査を紹介しましょう。

・コロナ禍における飲食店の来店・予約件数推移／TableCheck

全国約6,000の飲食店の来店データを集計した結果、飲食店の客足は、4月18日週が前週比107.3%となり、4週間ぶりにふたたび増加に転じているといいます。

1月31日週に底を打ってから、それ以降はほぼ右肩上がりに回復。20人以上の宴会が増加しているのも、新しい傾向です。

ゴールデンウィークにしたいことで「外食」が2位

大手グルメサイトのぐるなびが、ぐるなび会員1,000人に対して行った調査があります。

・【ぐるなびリサーチ部】"ゴールデンウィークの過ごし方"に関する調査／ぐるなび

ゴールデンウィークにしたいことは「外食」が33.6％と2位になっており、昨年の29％を上回りました。外食の相手は「家族」が72.9％、「友人」が41.1%、「1人で」が19.9％、「恋人」が18.2％となっています。

これらの調査を鑑みれば、ゴールデンウィークに飲食店が賑わうことは確実でしょう。コロナ禍で倒産件数も業種別で最多を記録し、苦労してきた飲食店に活気が戻るのは嬉しいです。

多くの方に飲食店で楽しく過ごしてもらいたいですが、飲食店を利用する際には是非とも知っていただきたいことがあります。

人材不足

コロナ禍で飲食店から多くのスタッフが離職しました。状況がよくなっても、辞めてしまったスタッフは他の仕事に就いているので、簡単には戻ってきません。いつコロナが悪転するかもわからないので、最小限のスタッフで運営している飲食店も多いです。

ゴールデンウィークになると、帰省したり、旅行に行ったりするスタッフもいるでしょう。一時的に客が増えるので、どの飲食店もスタッフを募集し、ますます人材の奪い合いとなります。

もともとゴールデンウィークは人材が不足しますが、さらにコロナ禍が重なり、深刻な人材不足に陥っているのです。

国内最大級の顧客満足度向上プラットフォーム「ファンくる」を運営するROIの調査によると、困っていることに「人手不足」と回答した飲食店が56％。85％もの飲食店が採用活動を行っているといいます。

・飲食店におけるコロナ禍の人手不足／ROI

さらには、問題解決の見通しが「未定」と回答した飲食店は半数以上の56%と、展望も明るくありません。

子連れ客

先の調査にもあったように、ゴールデンウィークには家族での飲食店利用が増えることが予想されます。カジュアルダイニングだけではなく、ファインダイニングでも同じでしょう。ファインダイニングであっても、個室であれば子連れで利用できます。

子供の客には、通常とは違ったオペレーションを行う必要があります。大人とは別の料理をつくったり、同じ料理であってもボリュームを変えたり、子供用のテーブルウェアを配したりしなければなりません。

家族で素晴らしい食体験をすることには大賛成です。子供たちにとっても貴重な体験となり、食育にもつながるので、是非とも子連れで利用してもらいたいと思います。

ただ、ここで述べたいのは、子連れ客に対してはスタッフの負荷が少し高まるということです。

新規客

ゴールデンウィークには、普段よりも多くの新規客が訪れる可能性が高いです。新しい顧客を開拓できるので、飲食店にとってチャンスであることは間違いありません。

ただ、初めての客が多いと、お勧めメニューやドリンク、システムやコースをより丁寧に説明したり、トイレの場所や営業時間を訊かれたりすることが増えます。

新規客が増えるのは喜ばしいですが、ここでも飲食店は普段よりも手間がかかってしまうのです。

回転が早い

まん延防止重点措置が解除されてからも、自治体はコロナに対する警戒を怠っていません。東京都や大阪府は、4月25日から5月22日までをリバウンド警戒期間として対策を行っています。

・【4月25日から5月22日】リバウンド警戒期間における取組　質問と回答／東京都防災ホームページ

・令和４年４月２５日から５月２２日までの要請について／大阪府

滞在時間は2時間以内を目安としているので、客の回転も早くなっています（ただし、東京都は全員の陰性の検査結果を確認した場合には、利用時間の制限は対象外）。

客の回転が早ければ回転率が高くなり、売上の増加につながります。しかし、それだけオペレーションも忙しくなることでしょう。

勘が戻らない

コロナ禍で閑散とした営業が長く続きましたが、ゴールデンウィークになって一気に忙しくなります。

スタッフの中には、突然忙しくなって、調理やサービスの勘がまだ戻らない人もいるでしょう。コロナ禍で開始したテイクアウトに引き続き力を入れている飲食店も多いです。

テイクアウトの対応をしつつ、勘が戻らないまま繁忙期の業務を行うので、オペレーションがスムーズに進まないかもしれません。

心に余裕をもって楽しんでもらいたい

コロナ禍という特殊な状況下でのゴールデンウィーク。飲食店はただでさえ人材が不足していたり、スタッフの勘が戻らなかったりするにもかかわらず、多くの客が訪れ、新規客や家族連れも増え、客の回転も早くなるので、非常に大変です。

久しぶりに飲食店を訪れる人も多くいるでしょう。飲食店で過ごせば、ただおいしいという喜びだけではなく、同席者との絆が深められたり、楽しく幸せな気分になれたりします。

飲食店の事情を知ることによって、スタッフのオペレーションが滞ったりしても、心に余裕をもって食事を楽しんでいただけると幸いです。