たった1グラムで1000円以上もする最高級食材の白トリュフは一流レストランでどう使われているのか?

ピエール・ガニェール(ANAインターコンチネンタルホテル東京)/著者撮影

白トリュフの季節が到来

トリュフは、フォアグラやキャビアと並んで世界三大珍味に挙げられる美食の食材です。一流のフランス料理やイタリア料理では、コースの中でトリュフが提供されない方が珍しいことでしょう。

そのトリュフの旬は、この秋から冬にかけてであり、今はトリュフの中でも最高の香りと値段を誇る、白トリュフの季節となっています。

最高級といわれるイタリア・アルバ産の白トリュフともなれば、100グラム10万以上という価格をつけており、レストランでトッピングするともなれば、相場は1グラム1000円から1500円。

フォアグラやキャビア、干し鮑やフカヒレ、オマールブルーや神戸牛など、高価な食材は他にもたくさんありますが、グラムあたりの単価でいえば、トリュフはダントツに高いと断言してもよいでしょう。

トリュフはその妖艶な芳香で人々を惹き付けながらも、栽培できないので非常に希少であり、その価値をさらに高めているのです。

このような超高級食材をどのように扱うかは、料理人によって全く異なります。

イタリア料理から鉄板焼、モダンフレンチまで、どのように白トリュフ、それも最高級のイタリア・アルバ産の白トリュフが用いられているのかを詳しく紹介していきましょう。

カノビアーノ(CANOVIANO)

イタリア・アルバ産の白トリュフ@カノビアーノ/著者撮影
イタリア・アルバ産の白トリュフ@カノビアーノ/著者撮影

ホテル雅叙園東京の自然派イタリアン「カノビアーノ(CANOVIANO)」では、2019年11月1日から29日にかけて、アルバ産白トリュフ「スペシャルディナーコース」が行われています。

白トリュフはイタリアのアルバ産が最高峰とされており、まさにイタリアが誇る美食の至宝。フランス料理だけではなく、イタリア料理でもよく用いられています。

「カノビアーノ」料理長を務めるのは、日本における自然派イタリアンの先駆者であり、現在もその第一人者としてリードする植竹隆政氏。

鮮烈かつ豊潤な香りを放つアルバ産白トリュフは、植竹氏が紡ぎ出す自然派イタリアンの中で、どのように生かされているのでしょうか。

コース内容

北海道産縞海老とカラスミの冷製カペッリーニ@カノビアーノ/著者撮影
北海道産縞海老とカラスミの冷製カペッリーニ@カノビアーノ/著者撮影

アルバ産白トリュフ「スペシャルディナーコース」の内容はこちら。

アルバ産白トリュフ「スペシャルディナーコース」

  • 北海道産縞海老とカラスミの冷製カペッリーニ
  • 水牛のモッツァレラチーズとフルーツトマト 季節野菜のサラダ仕立て パルマ産生ハムを添えて
  • ブルターニュ産 仔鴨胸肉のソテー 長谷川農産のマッシュルームソース白トリュフ添え
  • 自家製タヤリン 白トリュフとともに
  • 鮮魚のポワレ 蕪のポタージュ仕立て
  • 和牛サーロインの鉄板焼き 赤ワインのソース 白トリュフ添え
  • カノビアーノ ドルチェ
  • コーヒー

ほとんどのメニューに白トリュフが用いられており、非常に贅沢です。

ニンニク、唐辛子を使用せず、バター、生クリームもほとんど使用しない、植竹氏の軽やかでヘルシーなイタリア料理にも変わりはありません。

注目料理

ブルターニュ産 仔鴨胸肉のソテー 長谷川農産のマッシュルームソース白トリュフ添え@カノビアーノ/著者撮影
ブルターニュ産 仔鴨胸肉のソテー 長谷川農産のマッシュルームソース白トリュフ添え@カノビアーノ/著者撮影

「北海道産縞海老とカラスミの冷製カペッリーニ」は、シマエビの甘味とカラスミの塩味がよいコントラストになっており、トマトソースの甘酸っぱさが爽やか。スプマンテにもよく合うでしょう。

「水牛のモッツァレラチーズとフルーツトマト 季節野菜のサラダ仕立て パルマ産生ハムを添えて」は1999年代官山にオープンした「カノビアーノ」からの定番です。まろやかな南イタリアの水牛のモッツァレラチーズに、店に置いて糖度を高めたフルーツトマト、24ヶ月熟成でコクのあるパルマ産生ハムという取り合わせ。野菜はオリーブオイル、レモン、塩でシンプルに味付けされており、素材の甘味が引き出されています。

「ブルターニュ産 仔鴨胸肉のソテー 長谷川農産のマッシュルームソース白トリュフ添え」は、仔鴨の野性的な滋味によって、白トリュフの香りがより鮮やかに。付け合わせは、鴨肉と相性のよいホウレンソウとマッシュルーム。

「自家製タヤリン 白トリュフとともに」は植竹氏による定番の白トリュフ料理です。タヤリンはタリオリーニよりも少し細い平打ちされた卵麺のパスタ。パスタのふくよかな味わいに白トリュフの強い香りが重なり、豊かな食味が生み出されています。

「鮮魚のポワレ 蕪のポタージュ仕立て」は、カブのなめらかで優しいピューレを、旨味のある真鯛と合わせた魚料理。チリメンキャベツ、トウミョウ、マコモダケを合わせて、様々なテクスチャを。

「和牛サーロインの鉄板焼き 赤ワインのソース 白トリュフ添え」は、目の前で白トリュフをスライスしてもらえるので、香りがあたり一面に広がります。赤ワインと赤ワインビネガーの甘酸っぱい軽やかなソースが和牛を軽やかにし、白トリュフが和牛香に妖艶さを添えます。

こだわり

自家製タヤリン 白トリュフとともに@カノビアーノ/著者撮影
自家製タヤリン 白トリュフとともに@カノビアーノ/著者撮影

今年の白トリュフの印象について植竹氏は「例年と同じようなクオリティだが、値段は若干高いという印象を受ける。質はバラバラだが、100グラムから150グラムの白トリュフは安定している。信頼している業者から仕入れているので、常に素晴らしい白トリュフを使える」と述べます。

実は「カノビアーノ」では今年になって初めて白トリュフのコースが提供されるようになりました。

そのことについては「白トリュフのコースは、安定した供給が難しいので、毎年どうしようか考えていた。ただ、これまでもゲストからの要望があればご提供しており、好評いただいていたので、今年は改めてフェアを行うことにした」と開催経緯を説明。

コースの特徴としては「白トリュフは卵、米や鳩などの野鳥系との相性が抜群によい。リゾットに合わせることが多いが、今回はアルバと同じピエモンテ州の名物である平打ち麺のタヤリンを組み込んだ」と述べます。

これから

和牛サーロインの鉄板焼き 赤ワインのソース 白トリュフ添え@カノビアーノ/著者撮影
和牛サーロインの鉄板焼き 赤ワインのソース 白トリュフ添え@カノビアーノ/著者撮影

白トリュフの思い出については「アルバで行われる白トリュフ祭りに何回か訪れているが、おじさんから自分でとったものを裏取引で半値で買わないかと持ち掛けられたこともある。一度だけ買ったことがあるが、中が腐っていた。このような経験もあり、白トリュフの目利きを養えた」と述懐。

「白トリュフは卵黄とよく合うのでデザートに挑戦したり、贅沢に使えるようならば裏ごししてピューレにしたりするのもいい。来年も白トリュフのフェアを行いたいので、これ以上値段が高くならないことを願っている」と話します。

「カノビアーノ」は2019年11月9日で代官山での誕生から20周年を迎えますが、「これ以上のものはないイタリアの誇り」と植竹氏が絶賛するイタリア・ アルバ産の白トリュフを用いたコースが、「カノビアーノ」の節目に初めて提供されたことは、イタリア料理にこの人ありと目される植竹氏への白トリュフからの祝福ではないでしょうか。

けやき坂

イタリア・アルバ産の白トリュフ@けやき坂 /著者撮影
イタリア・アルバ産の白トリュフ@けやき坂 /著者撮影

グランド ハイアット 東京の鉄板焼「けやき坂」では、2019年10月上旬から11月下旬にかけて、イタリア・アルバ産の白トリュフに加えて、フランス産の黒トリュフや松茸を用いた鉄板焼を提供しています。

この3種の高級キノコを用いたコース料理を味わえるだけではなく、色々な料理に白トリュフのスライスをトッピングすることもできるのです。

「けやき坂」料理長を務める本多良信氏は、オリジナル黒毛和牛「けやき坂 ビーフ」を2017年11月から提供したり、鉄板焼カウンターでソルベや黒トリュフの塩釜焼を作ったりと、常に新しい試みを行っている料理人。

本多氏の先進的な鉄板焼では、白トリュフがどのように用いられているのでしょうか。

おすすめメニュー

長崎対馬産 アナゴとフォアグラの鉄板焼き バルサミコソース@けやき坂/著者撮影
長崎対馬産 アナゴとフォアグラの鉄板焼き バルサミコソース@けやき坂/著者撮影

白トリュフのトッピングは様々な料理にスライスできますが、本多氏の鉄板焼と非常に相性がよいのは、こちらのおすすめメニュー。

おすすめメニュー

  • 長崎対馬産 アナゴとフォアグラの鉄板焼き バルサミコソース
  • 長崎平戸産 ヤガラのソテー カラスミクリームソース
  • 伊勢海老のサラダ仕立て クリームトリュフソース イタリア産白トリュフ
  • 長崎県産出島ばらいろ テンダーロイン と サーロイン 各50g
  • 長崎県産 ゆうこうフルーツのベイクドアラスカ
  • コーヒー または 紅茶

※時期によって内容が異なる

長崎県産の食材が多いのは、2019年11月1日から30日まで「グランド グルメ トリップ in 長崎」フェアが行われているからです。

一見するとオーソドックスな鉄板焼のようですが、食材の組み合わせに新しさが感じられるといってよいでしょう。どの料理も白トリュフに合うというから、本多氏の創造性には驚かされます。

注目料理

長崎平戸産 ヤガラのソテー カラスミクリームソース@けやき坂/著者撮影
長崎平戸産 ヤガラのソテー カラスミクリームソース@けやき坂/著者撮影

「長崎対馬産 アナゴとフォアグラの鉄板焼き バルサミコソース」は、対馬の「黄金あなご」とフォアグラを取り合わせたモダンフレンチのような一皿。バルサミコの酸味によってさっぱりとしています。白トリュフをスライスすれば、より洗練された味わいとなるでしょう。

「長崎平戸産 ヤガラのソテー カラスミクリームソース」は、旬の高級魚で、優れた食味をもつヤガラを用いた魚料理。カラスミの苦味が濃厚なクリームソースのアクセントになり、トッピングすれば、白トリュフの妖艶な香りはヤガラの繊細な白身とよく合います。添えられたほんのりと苦い四角豆も、シャキシャキとした素晴らしい食感。

「伊勢海老のサラダ仕立て クリームトリュフソース イタリア産白トリュフ」は、イセエビに黒トリュフのソースであるペリグーソース、さらには白トリュフまでもが加えられており、非常に贅沢です。イセエビにフレッシュな葉野菜を添え、サラダ感覚で食べられるようにしているのも、他の鉄板焼ではできない体験。

「長崎県産出島ばらいろ テンダーロイン と サーロイン 各50g」の出島ばらいろとは、和牛のオリンピックとも称される「全国和牛能力共進会」で2012年に日本一となった「長崎和牛」のうち、僅か9%という希少なブランド。美しい赤色を有していながらも、赤身と脂肪のバランスがよいので、スライスされた白トリュフの鮮烈な香りとも折り合います。

「長崎県産 ゆうこうフルーツのベイクドアラスカ」は、本多氏が得意とする鉄板デザート。目の前で豪快にフランベしてもらえます。「ゆうこう」は関東初上陸の柑橘類で、華やかな酸味が特徴的です。中に包まれているのは、グランド ハイアット 東京のオリジナルチョコレート「Grande H」のクリーム。非常に香ばしく、なめらかな口当たりで、メレンゲともよく合います。

こだわり

伊勢海老のサラダ仕立て クリームトリュフソース イタリア産白トリュフ@けやき坂/著者撮影
伊勢海老のサラダ仕立て クリームトリュフソース イタリア産白トリュフ@けやき坂/著者撮影

鉄板焼にイタリア・アルバ産の白トリュフが使われるというだけでも興味をかきたてられますが、今年の白トリュフはどのような感じなのでしょうか。

本多氏は「はっきりと断定できないが、昨年よりもわずかに安くなっているように感じる。香りは断然、今年の方が豊かになっている」と話します。

入荷状況も考慮しつつ9月にメニューを決定したといいますが、特に自信のある料理については「伊勢海老のサラダ仕立て クリームトリュフソース イタリア産白トリュフ」を挙げ、その理由を「クリームと白トリュフは最高の相性だ」と説明。

他にも、前菜では「白トリュフはキノコなので、当然のことながらキノコとよく合う」ということから「北海道産 ホタテ貝のソテー フランス産 ポルチーニ茸のトマトバターソース」を、魚料理では「バターの香りが白トリュフの香りを高める」ということで「甘鯛 クリスピー焼き 岩のり ヴァンブランソース」を挙げます。

「『けやき坂』人気メニューのひとつに、魚と野菜をトリュフストックと共に耐熱フィルムに包んで焼く料理がある。包み焼きは香りが高まるので、黒トリュフを白トリュフに変更して、より一層香りを楽しむのもよいかもしれない」と創造は尽きません。

これから

長崎県産出島ばらいろ サーロイン 50g@けやき坂/著者撮影
長崎県産出島ばらいろ サーロイン 50g@けやき坂/著者撮影

本多氏は「白トリュフはクリームやキノコ、バターを使った料理との相性がいい。トリュフは白や黒など色に関係なく、入荷したらすぐに提供するように心がけている」と述べますが、これだけ白トリュフにこだわる鉄板焼の料理人は他にいないでしょう。

グランド ハイアット 東京では「けやき坂」だけではなく、中国料理「チャイナルーム」でも白トリュフのメニューがあります。佐渡島産のコシヒカリの中でも最高の品質を誇る「ダイヤモンドライス」を用いた「白トリュフとダイヤモンドライスの炒飯」が提供されており、こちらも体験してみたいところです。

白トリュフという高級食材を惜しげもなく用いるグランド ハイアット 東京にあって、本多氏は「入荷状況次第だが、来年も行う予定」と断言するだけに、来年も「けやき坂」で開催される白トリュフのフェアを楽しみに待っていてよいでしょう。

ピエール・ガニェール

イタリア・アルバ産の白トリュフ@ピエール・ガニェール/著者撮影
イタリア・アルバ産の白トリュフ@ピエール・ガニェール/著者撮影

ANAインターコンチネンタルホテル東京のモダンフレンチ「ピエール・ガニェール」では、2019年10月10日から12月20日にかけて「白トリュフコース」が提供されています。

「ピエール・ガニェール」は2010年のオープンからずっとミシュランガイドで2つ星を獲得している名店。

世界的な料理人であるピエール・ガニェール氏の右腕となる赤坂洋介氏は、オープン時から在籍し、2011年からエグゼクティブシェフを務めています。

星付きのモダンフレンチで、赤坂氏はどのようにしてイタリア・アルバ産の白トリュフをガストロノミーに昇華させているのでしょうか。

コース内容

白トリュフの香る泳ぐホタテ貝と甲烏賊 蕪のジュレ キノコのブイヨンに漬けた卵黄と共に@ピエール・ガニェール/著者撮影
白トリュフの香る泳ぐホタテ貝と甲烏賊 蕪のジュレ キノコのブイヨンに漬けた卵黄と共に@ピエール・ガニェール/著者撮影

白トリュフコースの内容は次の通り。

白トリュフコース

  • 白トリュフの香る泳ぐホタテ貝と甲烏賊 蕪のジュレ キノコのブイヨンに漬けた卵黄と共に
  • 白トリュフの香るヴェルチェリー産カルナローニ米一年熟成のリゾットとパルメザンチーズ ラングスティーヌとイベリコハム アンディーブと共に
  • 白トリュフの香るアルブフェラソースで絡めたブレス産若鶏 カボチャのピューレ セップ茸のフリカッセとマーシュサラダ
  • 白トリュフとマカデミアンナッツの香るパルフェ・グラッセ 栗のスープとマンゴー
  • 白トリュフの香るパンナコッタ / オッパリーヌ / カシスのコンポート
  • 白トリュフの香るシロップでマセレしたグレープフルーツルビーとジュレ セロリと共に

前菜からリゾット、肉料理、そしてデザートに至るまで、全てのメニューに白トリュフが使われているのは圧巻です。

全部で数十グラムが使われており、まさに白トリュフ尽くしであるといって間違いではありません。

注目料理

白トリュフの香るヴェルチェリー産カルナローニ米一年熟成のリゾットとパルメザンチーズ ラングスティーヌとイベリコハム アンディーブと共に@ピエール・ガニェール/著者撮影
白トリュフの香るヴェルチェリー産カルナローニ米一年熟成のリゾットとパルメザンチーズ ラングスティーヌとイベリコハム アンディーブと共に@ピエール・ガニェール/著者撮影

「アミューズ ブーシュ」は木製プレートで提供されるシグネチャーとなる最初の一品。5種のフィンガーフードに加えて、2種のグリッシーニとチュイールが美しくプレゼンテーションされています。

「白トリュフの香る泳ぐホタテ貝と甲烏賊 蕪のジュレ キノコのブイヨンに漬けた卵黄と共に」は、真ん中には白トリュフの香りをつけてキノコの出汁でマリネした濃厚な卵黄、周りには慎ましいカブのジュレ、そして、たっぷりと刻んだ白トリュフ。全て混ぜて食べると、複雑な調和を醸します。卵黄の味わいが白トリュフの香りをさらに高めている逸品。

「白トリュフの香るヴェルチェリー産カルナローニ米一年熟成のリゾットとパルメザンチーズ ラングスティーヌとイベリコハム アンディーブと共に」は、熟成させて食味を高めたカルナローニ米のリゾット。赤坂氏が探しだしたカルナローニ米は、口の中で粒は感じられるものの、芯は残りません。大きくカットしたラングスティーヌがごろりと入っているだけでも贅沢ですが、そこにイベリコハムも合わせ、旨味の協奏。ラングスティーヌはしっかりとした食味を携えているので、細切りした白トリュフに負けておらず、力強い一皿に仕上がっています。

「白トリュフの香るアルブフェラソースで絡めたブレス産若鶏 カボチャのピューレ セップ茸のフリカッセとマーシュサラダ」は、ブレス産のプーラルド(肥育鶏)に、鶏の出汁やフォアグラで作ったアルブフェラソースを。目の前でスライスされた白トリュフは香りを振りまき、食味の優れたプーラルドをさらなる美食材へと高めています。

デザートは複数品が提供されており、そのどれにも白トリュフが使われているというこだわり。

「白トリュフとマカデミアンナッツの香るパルフェ・グラッセ 栗のスープとマンゴー」にはスライスした白トリュフ、「白トリュフの香るパンナコッタ / オッパリーヌ / カシスのコンポート」には刻んだ白トリュフ、「白トリュフの香るシロップでマセレしたグレープフルーツルビーとジュレ セロリと共に」には細切りにした白トリュフが用いられているので、食べ比べすると、食感を含めてより楽しく食べられるでしょう。

こだわり

白トリュフの香るアルブフェラソースで絡めたブレス産若鶏 カボチャのピューレ セップ茸のフリカッセとマーシュサラダ@ピエール・ガニェール/著者撮影
白トリュフの香るアルブフェラソースで絡めたブレス産若鶏 カボチャのピューレ セップ茸のフリカッセとマーシュサラダ@ピエール・ガニェール/著者撮影

白トリュフコースは5年前から恒例となっていますが、今年はどのような特徴があるのでしょうか。

赤坂氏は「今年の白トリュフは少し高値のようだが、昨年と同じように、前菜、リゾット、鶏肉料理という構成にしている。構成は同じだが、使用する食材の組み合わせは、全く新しい。実施の2ヶ月ほど前にメニューを考案し、1ヶ月前にはメニューが決定した」と、大枠は同じながらも、より進化させているといいます。

特にこだわりのメニューとして「白トリュフの香る泳ぐホタテ貝と甲烏賊 蕪のジュレ キノコのブイヨンに漬けた卵黄と共に」を挙げ、「フレッシュで弾力のある冷たい帆立貝と甘味のある甲烏賊の上に、すり立てた白トリュフをかぶせた。キノコの出汁の中でマリネした卵黄と共に味わうと非常においしい」と説明。

「白トリュフは米やパルメザンチーズ、バターと相性がよいので、リゾットは外せないメニュー。リゾットを目当てに食べに来てくださるゲストも少なくない」とリゾットも人気であるといい、「カニは繊細なので白トリュフに負けてしまうが、ラングスティーヌは海老なので白トリュフに負けない。イベリコハムも白トリュフによく合う」と、リゾットにラングスティーヌを合わせた理由を補足します。

これから

デザート3種@ピエール・ガニェール/著者撮影
デザート3種@ピエール・ガニェール/著者撮影

白トリュフはスライスするのが一般的です。この白トリュフコースでは、刻んだり、細切りしたりと、様々な使われ方をしていますが、なぜなのでしょうか。

赤坂氏は「同じキュウリでも、まるかじりするのと、刻んで食べるのとでは、全く違う。白トリュフも使い方を変えて、様々な香りやテクスチャを体験していただきたかった。それによって、白トリュフの素晴らしさをより知っていただけたら嬉しい」と力を込めます。

白トリュフコースでは、実はデザートも有名です。

「これまではトリュフのスフレをご提供していたが、新しいものをご提供したかったので思い切って変更した。ここでも3種類の切り方で白トリュフを用いている」と背景について述べます。

まだまだアイデアの尽きない赤坂氏に、来年について尋ねると「楽しみにしてくださっているゲストがたくさんいらっしゃるので、例年通り、ご提供したい」と即答したので、次回は白トリュフがどのように使われるのかと、今から関心がもたれるところです。

白トリュフの魅力を日本にも

イタリアでは白トリュフの旬を祝って「白トリュフ祭」が行われたり、白トリュフを求める人々のために「白トリュフマーケット」が開催されたりしています。

白トリュフは、イタリアやフランスなどではお祭りが開催されるほど非常に大切な食材ですが、日本では一部の美食家やフーディーたちが熱狂している程度です。

そのような状況で、「カノビアーノ」では女性に人気の自然派イタリアンに白トリュフを軽やかに合わせ、「けやき坂」では創造的な鉄板焼に白トリュフを見事取り入れ、「ピエール・ガニェール」では白トリュフのさらなる美食の可能性を提示しています。

日本でも様々な場面で最高級食材である白トリュフを体験できるようになれば、その旬の香りが放つ魅力がより多くの人に伝えられるのではないでしょうか。