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「朝倉未来vs.平本蓮」は、5・6有明『RIZIN.47』で実現するのか?それとも、その後の…。

近藤隆夫スポーツジャーナリスト
2024年、ついに対戦か!? 朝倉未来(左)と平本蓮(写真:藤村ノゾミ)

大晦日に発表された3大会

2024年上半期に開催される「RIZIN」3大会の日時、場所、一部対戦カードが大晦日のリング上で榊原信行CEOから発表された。

決定した3大会の概要は次の通り。

■2月24日(土)、佐賀・SAGAアリーナ『RIZIN LANDMARK 8 in SAGA』

<MMAルール/71キロ契約>

ルイス・グスタボ(ブラジル)vs.堀江圭功(ALLIANCE)

<MMAルール/66キロ契約>

ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)vs.摩嶋一整(毛利道場)

(提供:RIZIN FF)
(提供:RIZIN FF)

■3月23日(土)、兵庫・神戸ワールド記念ホール『RIZIN.46』

<MMAルール/61キロ契約>

井上直樹(Kill Cliff FC)vs.佐藤将光(坂口道場一族/FightBase都立大)

<MMAルール/49キロ契約>

RENA(シーザー)vs.シン・ユリ(韓国)

<MMAルール/66キロ契約>

武田光司(BRAVE)vs.萩原京平(SMOKER GYM)

■5月6日(祝)、東京・有明アリーナ『RIZIN.47』

<RIZINフェザー級タイトルマッチ>

鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)vs.金原正徳(リバーサルジム立川ALPHA)

(提供:RIZIN FF)
(提供:RIZIN FF)

佐賀県でのMMAビッグイベント開催は「PRIDE」時代に遡っても初、神戸ワールド記念ホールでの「RIZIN」は3度目。そして、有明アリーナGW開催は昨年に続いてのこととなる。

今後、続々と追加対戦カードが発表されよう。中でも5・6有明『RIZIN.47』は特に豪華なラインナップになりそうだ。

「上半期にやるべきだろうな」

そろそろ実現して欲しい、とファンが待ち望んでいるカードがある。

「朝倉未来(JTT)vs.平本蓮(剛毅會)」。

昨年11月19日『FIGHT CLUB』で朝倉は、OFG(オープンフィンガーグローブ着用)キックボクシングマッチながら、YA-MANに1ラウンドKO負けを喫した。そして大晦日、さいたまスーパーアリーナ『RIZIN.45』でMMAルールの下、YA-MANを平本が破っている。

勝利した直後に平本はリング上でマイクを手にして言った。

「朝倉未来、お前が(YA-MANに)ぶっ飛ばされるから俺が普通にぶっ飛ばしてやったわ」

これで「朝倉vs.平本」実現への気運が一気に高まった。

大晦日『RIZIN.45』でYA-MAN(左)に勝利した平本蓮(写真:RIZIN FF)
大晦日『RIZIN.45』でYA-MAN(左)に勝利した平本蓮(写真:RIZIN FF)

平本は、朝倉との対戦を熱望している。

RIZINサイドも、これに乗り気だ。

大晦日『RIZIN.45』終了後に榊原信行CEOは、こうコメントしている。

「(朝倉vs.平本の実現に)そんなに時間をかけてもしょうがない。来年の上半期にはやるべきだろうなと思っている」

ならば両選手に対して榊原CEOは、5・6有明『RIZIN.47』での対戦を求めるだろう。二人がこのオファーを受け入れればスーパーファイトが実現する。その可能性は十分にある。

朝倉未来のアンサー次第

ただ気になるのは、朝倉の闘志に火がつくか否か。

「朝倉未来と闘いたい!」

そう切に願っている平本は即座にOKだろうが、朝倉はどうか?

昨年9月『超RIZIN.2』でケラモフにタップを余儀なくされ敗れ、YA-MANにも殴り倒された彼は、一度引退を口にしている。その後に現役続行を表明するも「闘いたいと思える状態になるまで待って欲しい」とファンに訴えてもいる。

「(復帰は)夏頃かな」

そう話している状況なのだ。

すべては朝倉のアンサー次第となる。

そして、おそらくは『RIZIN.47』でケラモフvs.クレベル・コイケ(ブラジル/ボンサイ柔術)の「フェザー級王座次期挑戦者決定戦」が組まれるのではないか。勿論、ケラモフが2月に佐賀大会で勝利することが条件だが、この「外国人頂上対決」を制した方が、秋か年末に鈴木vs.金原の勝者が保持するタイトル挑むとなれば、RIZINのリングはさらにヒートアップする。

ただ、「ケラモフvs.クレベル」が崩れ朝倉未来も参戦しないとなった場合、「ケラモフvs.平本」「クレベルvs.平本」もあり得るのか? 平本はMMA転向以来、まだ一度も外国人選手と対戦していない。興味深いマッチメイクに思える。

もし5・6有明『RIZIN.47』で朝倉vs.平本が実現しなかったとしても、下半期に開かれる可能性が高い『超RIZIN.3』、もしくは朝倉が夏か秋に計画しているビッグイベントがその舞台になるのでは─。

2024年RIZINフェザー級戦線に熱さが増すことは間違いなさそう。まずは、3大会の追加カード発表を楽しみに待ちたい。

スポーツジャーナリスト

1967年1月26日生まれ、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から『週刊ゴング』誌の記者となり、その後『ゴング格闘技』編集長を務める。タイ、インドなどアジア諸国を放浪、米国生活を経てスポーツジャーナリストとして独立。プロスポーツから学校体育の現場まで幅広く取材・執筆活動を展開、テレビ、ラジオのコメンテーターとしても活躍している。『グレイシー一族の真実』(文藝春秋)、『プロレスが死んだ日。』(集英社インターナショナル)、『情熱のサイドスロー~小林繁物語~』(竹書房)、『伝説のオリンピックランナー”いだてん”金栗四三』、『柔道の父、体育の父  嘉納治五郎』(ともに汐文社)ほか著書多数。

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