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ホークス田中正義が久々実戦で150キロ超連発! 甲斐野は最速155キロ

田尻耕太郎スポーツライター
気合のこもった表情で投球するソフトバンク田中正義(筆者撮影)

【5月14日 ソフトバンク三軍0-7火の国サラマンダーズ ホークススタジアム筑後第二】

試合イニングスコア、スタメン、戦評などと火の国サラマンダーズについてはコチラの記事をご覧ください→166cm右腕が150キロ連発、ソフトバンク三軍を7回零封。火の国サラマンダーズにまたドラフト候補か(5月15日配信)

田中正義、自信の5年目。笑顔と力強さ

 田中正義投手と甲斐野央投手が14日に行われた三軍の練習試合(火の国サラマンダーズ戦)に登板した。

 八回から登板した田中は28日ぶりのマウンドだった。4月16日のウエスタン・リーグの中日戦(ナゴヤ)の九回無死一塁で一ゴロに打ち取った直後に左足を引きずる仕草を見せて降板となった。一塁へのベースカバーの際に痛めた。

 好調だっただけにもったいない故障だった。今季のウエスタン戦では6試合に登板して0勝1敗1セーブ、防御率1.50。ファームながらストッパーを任されるまでになっていた。

 春先から表情が違っていた。自信がみなぎっていた。宮崎春季キャンプの際には「僕は過去4年間の大半を、リハ(リハビリ組)とファームで過ごしております。しかし、今年は一軍で活躍できるという自信があります」とはっきりと口にしていた。

 この日も久々の実戦マウンドながら堂々としたマウンドさばきだった。先頭打者は150キロ超のストレートで追い込みフォークを決め球にして空振り三振。2人目は内角の球場表示で152キロ直球を左打者の内角に決めて見逃し三振。最後は150キロ直球で初球ショートゴロに打ち取った。

「体は問題ないし、しっかり腕を振れました。あとは変化球の精度を高めたい」

 リハビリ組はもう卒業し、週明けからは二軍に帯同する見込みだ。

 田中のこの日最速は153キロ。これでも十分速かったが、九回に登板した甲斐野央は最速155キロを記録するなどさらに速いストレートを投げ込んだ。

復活へ、甲斐野「前回よりも安定」

千賀にアドバイスをもらいながら新フォームにも取り組む(筆者撮影)
千賀にアドバイスをもらいながら新フォームにも取り組む(筆者撮影)

 昨年12月に右肘を手術した甲斐野は、8日の高知ファイティングドッグスとの三軍定期交流戦で昨年6月以来約10カ月ぶりとなる実戦復帰を果たしていた。その試合でも153キロをマークして1回無安打無失点には抑えていたが、投球内容は2度目の登板のこの日の方がはるかに良かった。前回は抜け気味だったストレートはしっかりと指にかかり、打者は明らかに押し込まれていた。

 先頭打者に四球を与えたが、捕邪飛と一ゴロ併殺打でこの日も1回無安打無失点に抑えた。「前回よりも全体的に安定した。まとまっていました」と手応えも口にした。

 ソフトバンクのブルペン陣といえば12球団屈指だが、現在は守護神の森唯斗が離脱中。左肘の炎症で先日まで入院しようやくリハビリを始めたばかりで、復帰にはまだ時間がかかりそうだ。そしてキューバ左腕のモイネロが母国代表が参加する東京五輪予選に加わるために今月中にもチームを離れる見込みとなっている。

 若手の泉圭輔や津森宥紀がフル回転で好投を続けているものの、手薄になることは間違いない。まだ三軍で投げ始めたばかりの田中と甲斐野だが、チーム事情を鑑みればトントン拍子で一軍に呼ばれる可能性もゼロとは言えない。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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