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166cm右腕が150キロ連発、ソフトバンク三軍を7回零封。火の国サラマンダーズにまたドラフト候補か

田尻耕太郎スポーツライター
火の国サラマンダーズの宮澤怜士投手(筆者撮影)

 5月14日、福岡ソフトバンクホークス三軍と九州アジアリーグの火の国サラマンダーズがホークススタジアム筑後第二で無観客での練習試合を行った。

 当初は週末の15日、16日に熊本市のリブワーク藤崎台球場で火の国主催での交流戦を行う予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から密が生じることを避けるために延期となり、今回の練習試合が組まれた。

3番の宇土がタイムリー2本

【5月14日 練習試合 ホークススタジアム筑後第二 無観客】

火の国    100024000 7

ソフトバンク 000000000 0

<バッテリー>

【火】○宮澤、石森、水野――中島

【H】●重田、吉住、田中、甲斐野――石塚、居谷

<本塁打>

なし

<スタメン>

【火】4高山 3猪口 6宇土 9水本 D吉村 8浦木 5高橋 2中島 7松本

【H】8笹川 6川原田 D牧原巧 5井上 9早 2石塚 4勝連 3荒木 7舟越

<戦評>

 火の国サラマンダーズが快勝した。初回に元ソフトバンクの吉村の左前適時打で先制。五回には相手バッテリーのミスと宇土の右前適時打で2点を追加した。

 六回には一挙4点を追加して試合を決めた。高山が押し出し四球を選び、さらに猪口と宇土が連続タイムリーを放った。

 先発した宮澤は7回2安打無失点の快投。石森、水野が1回ずつを抑えて完封リレーを達成した。

 ソフトバンク三軍は9日の高知戦でノーヒットノーラン負けを喫し、この日も零封負け。チーム4安打はすべて単打でうち内野安打が2本と完全に力負けだった。また、先発した重田は中盤から突如崩れて6回7失点(自責5)と課題を残した。ただ、八回に登板した田中、九回に4番手で投げた甲斐野は150キロ超を連発してそれぞれ1回無失点と貫禄を見せた。(了)

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宮澤のストレート、吉村選手兼任コーチも絶賛

 小さな右腕が常勝球団の「金の卵」たちを手玉にとった。火の国サラマンダーズの先発の宮澤怜士投手がソフトバンク三軍を相手に7回無失点。球数92球で投げきり、2安打6奪三振1与四球と文句なしの快投だった。

 身長166センチと小柄だが、力のあるストレートを投げ込んだ。立ち上がりは球場表示で150キロ超を連発し、初回はほぼ直球勝負で三者凡退に仕留めた。

「2月のオリックスとの練習試合で151キロをマークしましたが、今日は152キロが出て自己最速を更新しました」

 上背がないが、低いリリースポイントからぐんと伸びる直球で打者を惑わす。横浜やソフトバンクでも活躍した実績のある吉村裕基内野手兼コーチも「打席で見ると、3段階くらいでグッ、グッ、グッと伸びてくる感じ」と高評価する。

「自分と同じタイプの投手には目が向きます。ロッテの美馬投手や中日の谷元投手のような投手が目標です」

 この日の練習試合にはNPB球団、そしてメジャーリーグ球団のスカウトも視察に訪れていた。「目標はもちろんプロ入りです」と語る右腕は最高のアピールをしてみせた。

 また、2番手では快速左腕の石森大誠投手が登板し、1回で2三振を奪っての無安打無失点。こちらは155キロを掲示していた。

関連記事→【火の国―ホークス三軍】馬原PGM「独立初の1位指名も夢じゃない」熊本独立球団にいたドラフト金の卵。(4月28日配信)

宮澤怜士(みやざわ・れいじ)

1997年11月11日生まれ、23歳。北海道出身。身長166cm、体重70kg。遠軽高校から東海大学札幌キャンパスを経て、熊本ゴールデンラークスへ。今年から火の国サラマンダーズでプレー。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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