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ホークス周東佑京が「Uー23W杯」へ。盗塁王を後押しした本多&城所のアドバイスとは?

田尻耕太郎スポーツライター
今月5日に行われた2軍vs3軍の1シーン(筆者撮影)

人生初の海外がコロンビア

 自慢の“快足”で世界を驚かせる。

 福岡ソフトバンクホークスの周東佑京選手が、10月19日よりコロンビア・バランキージャにて開催される「第2回 WBSC U-23ワールドカップ」に出場する野球日本代表「侍ジャパン」U-23代表の出場選手に選出されている。

 周東は群馬県出身の22歳。昨年ドラフトで東農大北海道オホーツクから育成2位で入団した。

「50m5秒7の俊足を生かし、走攻守にスピード感溢れるプレーが魅力」とのスカウト評どおり、一塁到達もプロトップレベルの3秒8を記録する俊足が最大の持ち味だ。

 その実力をさっそく見せつけた。今季2軍戦に90試合出場し、27盗塁を決めてウエスタン・リーグの盗塁王に輝いた。また、平凡な内野ゴロを内野安打に、二塁打の当たりを三塁打にした場面もあった。スタンドからは歓声が上がるというより、あまりの足の速さにどよめきが起こった。

 周東は野球人生で初めて日の丸のユニフォームに袖を通す。「光栄に思います。その気持ちも踏まえて、選ばれた人の中でもより目立つ活躍をしたい。同じ俊足タイプでは島田(海吏=阪神タイガース)もいるので負けたくない」と意気込みを口にした。また、「海外も初めてなんです」とワクワクが止まらない様子だった。

平凡な内野ゴロをヒットにしてしまう

 大学時代もリーグ戦通算40盗塁(本人いわく出場およそ70試合)をマークしたが、「プロに入ってからスピードはもっと上がったし、もちろん技術も身に着いた」と自信をのぞかせる。

「ファームで本多(雄一)さんや城所(龍磨)さんとプレーさせて頂く機会があったことで、いろいろ話もしたり教えてもらったりした。本多さんからは、リードの時に自分は帰塁する意識はない、常にスタートすることを考えていると言われました。城所さんからは僕のリードの小ささを指摘されました。言われたのはシーズン終盤。それで2軍での最後の3試合は思い切ってリードを大きくとり、計6盗塁を成功させてタイトルを獲ることが出来ました」

 23歳以下の日本代表では背番号8をつけるが、ホークスでは背番号121の育成選手だ。世界の大舞台で戦う経験値と猛烈アピールで、来季の支配下入り&1軍デビューの弾みにしたいところだ。

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スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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