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サッカーの競技性向上に一役買う第三者の視点とは

杉山茂樹スポーツライター
チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦第1戦 リバプール対バイエルン(写真:ロイター/アフロ)

 これまで幾度も述べてきたことだが、サッカーは常に右肩上がりを続けるスポーツだ。競技のレベルは、いまがいつでも一番高い。そのことを実感させられるのがチャンピオンズリーグ(CL)だ。ほぼ毎シーズン最高値を更新する試合に出くわすことができる。

 その可能性は決勝トーナメントに入ると一気に上昇する。決勝トーナメント1回戦の第2戦を間もなく迎える今季も例外ではない。たとえば、そのリバプール対バイエルンの第1戦などは今季イチ、すなわち過去最高と言いたくなる惚れ惚れとする戦いだった。

 高い位置から網を掛けるようにボールと相手を組織的に追い込もうとするバイエルン。かつてなら引っかかっていたであろう難所を次々とかいくぐり陣を回復していくリバプール。もちろん、攻守が入れ替わった場合でも、同じ現象が起きるのだが、これは選手のテクニックが上昇したことを示すシーンだと言える。と同時にその要因が、高い位置からのプレッシャー、すなわちプレッシングにあることも一目瞭然となる。

 プレッシングの値が上昇するほど競技力は向上する。サッカーはプレッシングと共に競技のレベルを上げてきた。80年代後半のイタリアがそのスタート地点になるが、その提唱者であるアリゴ・サッキに尋ねれば、それは「“トータルフットボール”の延長線上にあるものだ」と述べた。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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