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北風が吹き荒れる年越しに、気温の乱高下にも要注意

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
除夜の鐘をつくお坊様(提供:イメージマート)

年越しは北風が吹き荒れる

雨や雪、風の予想(ウェザーマップ)
雨や雪、風の予想(ウェザーマップ)

上図は31日(日)大晦日、午後9時の雨や雪、そして風の予想です。

10年に1度の暖かな年越しとも言われてきましたが、ちょうど年越しのタイミング(大晦日の夜から元旦にかけて)で、一時的に冬型の気圧配置が強まり、一時的に寒気が流れ込むため、北風が吹き荒れて、寒くなりそうです。北陸以北では吹雪の所もあるでしょう。

また大晦日から元旦にかけては、上空の気温の乱高下が起きますが、特に関東以北では顕著となりそうです。

上空の気温は、関東以北で顕著に乱高下

上空1500メートル付近の予想気温(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)
上空1500メートル付近の予想気温(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)

上図は大晦日から元旦にかけての上空1500メートル付近の気温の予想です。

大晦日の午前9時の段階では、低気圧に流れ込む暖気が顕著となっていて、全国的に平年より高いことを示す赤色に覆われています。上空の気温を観測している茨城県つくばの予想は6.6度で平年より9.2度高く、また秋田の予想は0.2度で平年より8.8度高くなっています。

ところが元旦午前9時の予想では、つくばが-6.6度、秋田が-10.0度と一気に10度以上も急降下する予想です。この寒気の流れ込みは一過性ですが、ちょうど年越しのタイミングで流れ込むため、暖かな年越しと言われてきたものの、年越しは寒くなるので、要注意です。

年越しは寒いタイミングに

週間予報(気象庁発表)
週間予報(気象庁発表)

大晦日は関東以西でも傘マークが並んでいますが、おおむね西日本では明け方まで、東日本では昼前までとなりそうです。その後は晴れ間が戻り、上述した上空の暖気の影響で、気温が上がるでしょう。

東京都心は16度の予想で、大晦日に15度以上となるのは、4年ぶりですが、1875年から2022年までの148年間で15度以上は11回なので、平均すれば10年から15年に1度程度の暖かな大晦日とも言えるでしょう。(参考記事

ところが大晦日の夜から寒気が入るとともに気温が下がり、北風も強まるでしょう。元日の最高気温は12度の予想ですが、乾いた北風が午前中はかなり強く吹くため、気温以上に寒さを感じることと思います。特に初日の出のタイミングはかなり寒いでしょう。

暖かい年越しと言われてきたものの、ちょうど年越しのタイミングは冷え込みますので、防寒対策を万全にお過ごしください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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