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”最強寒波”に警戒も、年越しは”暖波襲来”で10年に1度の高温か

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
予想最高気温(ウェザーマップ発表)

23日(土)頃までは大雪に警戒

雨や雪の予想(ウェザーマップ)
雨や雪の予想(ウェザーマップ)

今季一番の強い寒波の影響で、日本海側では広く雪が降っていて、九州の各地でも雪を観測しています。山沿いでは大雪となっている所も多く、この状態はあす22日(金)にかけてピークとなるでしょう。その後、あさって23日(土)頃までは、北陸以北を中心に、大雪が続くおそれがあり、交通障害などに警戒が必要です。(気象庁発表の大雪情報

年越しは寒波ならぬ”暖波”が到来へ

寒気と暖気の予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)
寒気と暖気の予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)

上図は上空1500メートル付近の寒気と暖気の予想です。

あさって23日(土)頃にかけては、九州付近まで-6度以下の真冬の寒気にすっぽりと覆われる状態が続くため、大雪に加え、真冬の厳しい寒さも続くでしょう。ただこの寒気はクリスマス頃にかけて、徐々に緩んでいき、今度は西から暖かな空気に入れ替わってくる見込みです。

そして上図にあるように、大晦日は3度以上の季節外れの暖気に西日本はもちろん、関東付近まで覆われるでしょう。これは、晴れれば、15度以上まで上がる暖気で、特に西日本は20度くらいまで上がる暖気と言えます。

年の瀬は続々と15度以上に

予想最高気温(ウェザーマップ)
予想最高気温(ウェザーマップ)

実際に年末にかけての予想最高気温をみると、クリスマス頃までは寒さが続くものの、その後は、九州から15度以上の所が続出し、東京都心でも30日(土)と大晦日31日(日)は15度まで上がる予想です。高知や鹿児島は20度近い、年の瀬とは思えないようなポカポカ陽気となりそうです。

観測史上3度目の年越し2日連続15度以上も

予想最高気温(ウェザーマップ発表)
予想最高気温(ウェザーマップ発表)

東京都心は30日(土)と大晦日31日(日)の予想最高気温が15度で、1月1日(月)と2日(火)は14度となっています。

筆者が東京都心で大晦日31日と元日1月1日に15度以上まで上がった回数を調べてみると、観測のある1875年以降で、大晦日が11回、元日が9回ありました。つまり平均すれば、10年から15年にそれぞれ1回あるような感じです。

ところが大晦日と元日に、2日連続で15度以上まで上がった回数は、わずか2回のみで、1891年大晦日18.5度→1892年元日18.0度、1971年大晦日15.3度→1972年元日16.1度となっています。ですから、もし今回大晦日と元日に連日で15度以上となれば、52年ぶり3回目のこととなります。

ちなみに、東京都心での大晦日と元日の最高気温の記録は、以下の通りです。

●大晦日

1位18.5度(1891年)

2位17.3度(1914年)

3位17.2度(1882年、1958年)

●元日

1位18.2度(1910年)

2位18.0度(1892年)

3位17.7度(1952年)

以上のように、温暖化や都市化が進んだ東京都心において、大晦日と元日に限っては、記録的な高温をかなり古い時代に観測しているのは、かなり驚きです。

10年に1度の暖かな年越しか

早期天候情報(気象庁発表をウェザーマップが作成)
早期天候情報(気象庁発表をウェザーマップが作成)

気象庁から早期天候情報の高温が発表になりました。この情報は、その時期として10年に1度程度しか起きないような著しい高温となる可能性が、いつもより高まっている時に、6日前までに注意を呼びかけるものです。

北海道から九州にかけて、12月28日(木)頃からの5日間程度は、平年と比べて気温がかなり高くなり、10年に1度程度の高温となる可能性があります。この状態は、年明けの三が日頃にかけて続く可能性があります。最強寒波で多くの雪が積もると思いますが、年越しは暖かくなるため、スキー場などでも、雪解けによるなだれや屋根からの落雪などに注意が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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