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発生が予想される熱帯低気圧は西進傾向か?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
低圧部の雲の様子(ウェザーマップ)

週末には熱帯低気圧が発生予想

予想天気図(気象庁発表資料に筆者加工あり)
予想天気図(気象庁発表資料に筆者加工あり)

昨日の気象庁の予想だと、きょう2日(金)午前9時には小笠原の南海上にある低圧部が熱帯低気圧に変わる予想でしたが、きょう午後3時の段階でもまだ低圧部の解析で、熱帯低気圧は発生していません。

タイトル画像にある雲の様子をみると、低圧部の中心は赤い丸の真ん中あたりにあるのですが、この周りには活発な雨雲が発生しているものの、中心付近ではまだ活発な雨雲はまとまっておらず、このため中心の位置がハッキリとはしない低圧部の解析になっているものと思われます。

最新の気象庁の予想では、あす3日(土)午前9時でもまだ低圧部の予想ですが、あさって4日(日)午前9時には中心付近の循環がハッキリとする熱帯低気圧に変わる見通しです。

ただ熱帯低気圧に変わるタイミングはまだやや不確実で、もう少し早くなるかもしれないし、遅くなるかもしれない、という状況だとは思いますが、いずれは熱帯低気圧が発生するものと思われます。

この熱帯低気圧の発生後の動きや勢力に関しては、この北側にある太平洋高気圧の張り出し具合などにより、さらに不確実性が大きいのですが、気象庁による予想天気図では、あさって4日(日)にかけて、北緯20度線付近をゆっくりと西寄りに進む予想となっています。

ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の予想では?

ECMWFの予想に筆者加工あり
ECMWFの予想に筆者加工あり

発生が予想される熱帯低気圧は気象庁の予想天気図でも西進傾向を示していますが、種々の計算でも昨日よりは日本の南を西寄りに進む計算が増えている状態です。

参考までに、ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の予想では、気象庁の予想とはややずれがあるものの、今ある熱帯擾乱(ねったいじょうらん)とみられる低気圧が西寄りに進み、来週の8日(木)頃、沖縄近海に進む予想となっています。

気象庁による沖縄県那覇の週間予報では、このあたりの影響を湿った空気の影響ととらえ、8日(木)から9日(金)の予報に傘マークを付けてきています。

このように発生が予想される熱帯低気圧は、これまでよりは西進傾向でやや揃ってきてはいるものの、中には日本の南を北上させる計算やそもそも西進はせずに小笠原方面へ北上傾向を示すものなど、まだばらつきがある他、勢力に関しても台風の勢力になるものや衰弱して消滅してしまうような計算もかなりあり、引き続き、不確実性が大きくなっています。

今後も最新の状況や予想をお伝えしていきたいと思います。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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