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今年、未だに0℃以上となっていない40日連続真冬日の極寒の地とは?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
川辺の樹氷(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

北海道は強烈な冷え込み、-36℃を記録

9日午前7時の推計気象の気温(ウェザーマップ)
9日午前7時の推計気象の気温(ウェザーマップ)

きょう9日(日)は、北海道で上空の寒気と放射冷却の影響により、極めて厳しい冷え込みとなりました。

午前7時の推計気象分布の気温をみると、北海道は-20℃以下を示す濃い藍色に染まっており、北海道の観測ポイント173地点中、半数以上にあたる89地点で-20℃以下の冷え込みとなりました。

さらにこのうち14地点で-30℃以下となり、上川地方の江丹別では-36.0℃を記録し、19年ぶりの強烈な冷え込みとなりました

北海道とはいえ、近年、-35℃以下まで下がるのは非常に珍しいことです

朱鞠内と阿寒湖畔は40日連続で真冬日

朱鞠内と阿寒湖畔の気温表(気象庁資料に加工)
朱鞠内と阿寒湖畔の気温表(気象庁資料に加工)

北海道の中でも際立って気温が下がるのが、上川や十勝、釧路地方などですが、今年に入ってからまだ一度も気温がプラスになっていない、つまり0℃以上になっていない地点が二つあります。それが上川地方の朱鞠内と釧路地方の阿寒湖畔です。

ともに内陸の山沿いということで、朝の冷え込みもさることながら、日中もなかなか気温が上がらない場所に位置しています。

この2地点は昨年の大みそかにプラスの気温(朱鞠内阿寒湖畔)となったのを最後に新年明けてからずっと氷点下の気温が続いており、きょう2月9日の最高気温も-10℃前後でしたから、きょうで40日連続の真冬日ということになります。

ここまで真冬日が続くのは珍しいのか?調べてみると、さすがは北海道、特に珍しいことではないようです。

朱鞠内の近年の連続真冬日は以下の通りです。

2018年12月23日~2019年2月18日まで58日連続

2018年1月16日~3月3日まで47日連続

2015年12月25日~2016年2月11日まで49日連続

2011年12月16日~2012年2月13日まで60日連続

などの真冬日を記録しています。

また朱鞠内の他、北海道の極寒地では、40日以上の連続真冬日を時々記録しています。

今週水曜日には真冬日が途切れそう

朱鞠内と阿寒湖畔の予報(ウェザーマップ)
朱鞠内と阿寒湖畔の予報(ウェザーマップ)

週明けの火曜日頃まではまだ寒気が優勢で、一日中0℃未満の気温が続くため、42日連続の真冬日となるでしょう。

ところが水曜日以降は一転して暖気が優勢となるため、朝は冷え込んでも日中はプラスの気温となる予想です。新年明けて初めて日陰の氷や雪が少し解けるかもしれません。

なお、上空の暖気は少なくとも土曜日頃まで居座るため、4日連続で日中はプラスの気温となるでしょう。5℃前後の気温でも極寒の地としては平年より10℃近くも高く、4月上旬から中旬頃の暖かさが続くことになりそうです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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