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来週は真冬から春へ急転換、花粉飛散や雪解けに要注意

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
スギ花粉の飛散の様子(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

立春過ぎてようやく大雪

72時間の降雪量(気象庁)
72時間の降雪量(気象庁)

2月4日の立春を過ぎてから、ようやく強い寒気が日本列島に南下してきました。

極端に雪の少なかった日本海側にも待望の雪が降り、きょう8日13時までの72時間降雪量は、秋田県横手82センチ、新潟県関山95センチ、長野県野沢温泉84センチ、鳥取県大山62センチなど、多くのスキー場にも恵みの雪となったようです。

また富山15センチ、金沢4センチ、鳥取6センチなど、北陸や山陰の平野部でも、新年明けて初めての雪化粧となりました。

気温も下がり、6日(木)には、北海道の江丹別で-31.6℃、朱鞠内で-31.2℃を記録し、この冬初めて全国で-30℃以下の冷え込みとなりました。

東京都心でも7日(金)には-2.1℃とこの冬初めての氷点下を観測しました。

来週は寒気場から暖気場へ急転換

上空の寒気暖気の予想(ウェザーマップ)
上空の寒気暖気の予想(ウェザーマップ)

きょう(土)は一旦弱まった寒気ですが、今後再び強まる予想です。

上空1500メートル付近の寒気の予想をみると、あす(日)は日本列島の北から南まで平年より低いことを示す青色が広がっており、特に北海道や関東、近畿などには6℃以上も低い強烈な寒気が流れ込む予想です。

この強い寒気、10日(月)にはピークを越えますが、それでも11日(火)にかけて、東日本や北日本を中心に、寒気優勢の状態が続く予想です。

ところが12日(水)になると、大陸周りの暖気が日本海側から一気に流れ込み、日本の上空は平年より高いことを示す赤色に変わってきます。

さらに13日(木)になると、一段と暖かな空気に包まれて、さらに赤色が濃くなり、広い範囲で平年より10℃前後も高くなる予想です。

これは4月半ばから5月にかけての初夏の頃の暖気で、晴れれば20℃以上まで上がり、曇りや雨でも、決して冬の冷たい雨ではなく、春の雨をもたらす暖気と言えます。

では実際に予報をみてみましょう。

気温急上昇で、花粉の飛散、雪解けに要注意

週間予報と最高気温(ウェザーマップ)
週間予報と最高気温(ウェザーマップ)

あす(日)は、東日本や北日本を中心に、厳しい寒さとなるでしょう。

画面にはありませんが、北海道の内陸では強烈な冷え込みが予想され、札幌は-15℃と2001年1月14日以来19年ぶりの冷え込み、また旭川は-26℃と1990年1月28日以来30年ぶりの冷え込みとなる予想です。

さらにコンピュータの予想では、内陸部の上川地方で-30℃を大きく下回る予想もあり、近年としては記録的な冷え込みとなる所がありそうです。

晴れる東京や名古屋、大阪でも8℃と乾いた北風が強く、凍える寒さとなるでしょう。

ところが寒気が抜けて、上空に暖気が流れ込む来週半ばからは一気に気温が上昇し、東日本や西日本を中心に15℃から20℃位まで上がる予想です。

晴れ間が広がる所では、20℃を大きく上回る所も出てくるでしょう。

すでに東京都内など関東から九州では花粉の飛散が確認されていますが、来週の後半には一気に本格化してくる可能性があります。

環境省の花粉情報などを参考にして、早めの対策を行った方がいいでしょう。

さらにようやく雪が積もった多雪地帯でも気温が上がるため、雪解けによるなだれや洪水などの心配があります。

気温が一気に上がることで、様々な影響が考えられますので、要注意です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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