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台風”19号”が発生へ、今後の動きに十分注意。

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
熱帯低気圧の雲(5日9時ウェザーマップ)

熱帯低気圧が台風19号へ

天気図の変化(気象庁発表資料に加工)
天気図の変化(気象庁発表資料に加工)

きのうまでは中心付近の循環がはっきりとしない低圧部と解析されていた雲の塊が、きょう午前3時に熱帯低気圧(TD)に変わりました。

きのうの予想では、あす日曜日に熱帯低気圧に変わる予想でしたから、予想以上に早く、循環がはっきりしてきたということになり、タイトル画像をみても、きのうより雲域がまとまってきている様子がうかがえます。

気象庁の予想では、今後も中心気圧が下がりながら(発達しながら)西寄りに進む見込みで、付近の海面水温は30℃程度とかなり高くなっていますので、今後台風に変わる可能性も十分にあると考えるのが適切でしょう。

そして、きょう午前10時過ぎ、この熱帯低気圧が今後24時間以内に台風へ発達する見込みとの情報が気象庁から発表されました。発生すれば台風19号ということになります。

来週末からの3連休に影響も?

アンサンブル予報(気象庁発表資料に加工)
アンサンブル予報(気象庁発表資料に加工)

上図は複数の数値予報を統計的に処理し、単独の数値予報よりも確からしい予報を得ることを目的としたアンサンブル予報です。

簡単に言えば、複数の計算結果の平均場ということになりますが、これによると、きょう発生した熱帯低気圧は今後発達しながら西から北西方向へ進み、来週の金曜日から土曜日頃に日本の南を北上する予想です。

複数の計算の中には、強い台風の勢力で北上するものもあるようです。

アンサンブル予報は、予報の期間が後ろになればなるほど不確実性が増していくことが多いものですが、それでも今最も確からしい予報は上記の計算とも言えます。

ECMWFの予想

ECMWFの予想に加工
ECMWFの予想に加工

参考までにECMWF(ヨーロッパ中期予報センター)の発表では上図のような予想となっています。

位置関係では、きょう発生した熱帯低気圧とみられる低気圧が発達しながら小笠原の南を西進し、来週の後半には日本の南海上に達する予想です。その後、来週末からの3連休に沖縄から西日本を指向する計算となっています。

これはあくまでもECMWFの計算ですが、発達の度合いから見て、強い大きな台風となって列島を指向するような予想です。

今後も台風と思われる低気圧の北側にある太平洋高気圧の勢力次第では、大きく予想が変わることもありそうですが、最悪は秋の行楽シーズンの3連休に台風が接近することも考えられますので、今後の情報に十分ご注意下さい。

*気象庁からの情報により、内容を一部変更しました。(午後1時30分)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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