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今週はダブル高気圧で今夏一番の猛暑型に

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
プール日和(写真:ロイター/アフロ)

真夏日の地点数は今夏最多に

7月28日(日)の最高気温(気象庁)
7月28日(日)の最高気温(気象庁)

台風6号から変わった熱帯低気圧の影響で、東京都心はけさまで雨が降り、これで過去1位の記録に並ぶ32日連続の雨を観測しました。

この雨が終わった後、きょうは東海地方で梅雨明けの発表があり、関東甲信と東北地方の梅雨明けもまさに秒読み状態となっています。

ここ数日一気に暑さが厳しくなりましたが、きょう全国で最も暑かったのは日田で36.9℃まで上がり、また熊谷で35.5℃など22地点で35℃以上の猛暑日となりました。

さらに30℃以上の真夏日は703地点(926地点中)で、今夏初めて700地点以上に上りました。

そしてこの暑さですが、今週半ばにかけて一段と厳しくなっていきそうです。それはダブル高気圧に覆われるためです。

ダブル高気圧で典型的な全国猛暑型に

ダブル高気圧の予想(ウェザーマップ)
ダブル高気圧の予想(ウェザーマップ)

ダブル高気圧とは、上空6000メートル付近で明瞭となる太平洋高気圧と、さらにその上、上空10000メートル付近で明瞭となるチベット高気圧のこと。

この両者にすっぽり覆われると、大局的には、日差しによって熱せられた暑い空気の逃げ場がなくなり、いわば分厚い蓋をしたような状態になるため、熱がこもりやすく、典型的な猛暑をもたらす形となります。

このパターンになった時、過去には幾度となく全国的な猛暑に見舞われており、しかも一週間以上もあまり状態が変わらないことも多いため、長期にわたり猛暑が続くことも珍しくありません。

去年はダブル高気圧で40℃以上に

去年のダブル高気圧(ウェザーマップ)
去年のダブル高気圧(ウェザーマップ)

去年の夏は記録的な猛暑で、40℃以上の所が続出しました。

例えば、去年の7月23日は、熊谷で国内の歴代1位の高温となる41.1℃を観測し、東京の青梅で40.8℃、岐阜の多治見で40.7℃、また東京都心でも39.0℃まで上がる大猛暑となりました。

この時も上図のように太平洋高気圧とチベット高気圧のダブル高気圧に覆われた状態となっていました。

今週は今夏の暑さのピークとなる可能性も?

各地の予想最高気温(ウェザーマップ)
各地の予想最高気温(ウェザーマップ)

今週は全国各地で強烈な日差しが照り付け、朝の内から30℃以上となる所も多いでしょう。

ウェザーマップによる各地の最高気温は、多くの所で35℃前後まで上がる予想となっており、福島や日田などでは37℃という数字もみられます。

さらに晴れ具合や風の吹き具合などにより、もっと上がる所もありそうで、局地的には38℃~39℃以上の所が出てもおかしくありません。

きょう気象庁からも高温に関する情報が出されました。

いよいよ本格的な盛夏、真夏の到来となりますが、街中や屋内はもちろん、海水浴やプールなどでも、熱中症の危険があります。お出かけの際は、こまめな水分、塩分補給、また休息を心がけ、決して無理のないような行動を心がけて下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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