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関東に大荒れ接近中、今夜は東京にも暴風警報発表の可能性、台風並みの暴風に警戒を

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲と天気図(ウェザーマップ)

5月としては記録的な暴風が吹くおそれも

風の予想(ウェザーマップ)
風の予想(ウェザーマップ)

タイトル画像にある通り、沖縄の南にある台風1号周辺の暖湿気を補給しながら発達している危険な低気圧が、きょう28日(火)夕方には紀伊半島付近にあって、今夜遅くにかけて、関東地方を直撃するように通過していく見込みです。

この低気圧に向かう南風はかなり強く、上図のように今夜午後9時には、東京湾周辺を中心に、20メートル近い平均風速が予想されています。きょう夕方の予報で、東京地方で予想される最大風速が大田区港区江戸川区などの東京湾周辺で23メートル(最大瞬間風速35メートル)と上方修正され、今夜遅くにかけて、暴風警報が発表される可能性も出てきている状態です。

まさに台風の通過を思わせるような非常に強い風が吹き荒れ、5月としては記録的な暴風が吹き荒れるおそれがあります。最大瞬間風速が30メートル以上となれば、何かにつかまっていないと立っていられない、飛来物によって負傷するおそれがある、看板が落下し飛散する、ビニールハウスのフィルムが広範囲に破れるなどの被害も想定されます。(風の強さと吹き方)。今夜遅くにかけて吹き荒れる台風並みの暴風に警戒が必要です。

東海地方を中心に大雨にも警戒を

雨雲の様子(気象庁発表)
雨雲の様子(気象庁発表)

暴風の他、もちろん大雨にも警戒が必要です。きょう28日(火)午後5時の時点では、線状降水帯の発生に至った地域はないものの、総雨量は鹿児島県や高知県で300ミリ以上に達する所もあるなど、5月の観測史上1位の大雨となった地点が多数に及んでいます。

気象庁からは引き続き、今夜にかけて、東海地方(静岡県、岐阜県、愛知県)では線状降水帯が発生して大雨の危険度が急激に上昇する可能性があるとの情報が発表されています。土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に十分な警戒が必要です。

台風1号は31日(金)に伊豆諸島や関東に接近も

台風1号の予報円(ウェザーマップ)
台風1号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

強い台風1号は、きょう28日(火)午後3時現在、沖縄の南海上を北東へ進んでいます。今後、あす29日(水)にかけて強い勢力を維持しながら、沖縄の南大東島のすぐ南を通過するでしょう。

その後は海水温の低い所に入り、徐々に勢力を落としながら北上し、予報円の真ん中を進むと、31日(金)に伊豆諸島八丈島のすぐ南を通過する見込みで、もし予報円の北側を通過すると、関東の沿岸に近づく可能性もあります。台風1号に伴う雨雲は関東にも広がる計算ですが、近づくほど、影響が大きくなるかもしれません。今後の情報にご注意ください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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