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関東から九州の梅雨入りは6月10日頃が濃厚か

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
梅雨の様子(写真:つのだよしお/アフロ)

6月10日頃から梅雨空に?

10日間予報(ウェザーマップ)
10日間予報(ウェザーマップ)

沖縄や奄美では、すでに梅雨入りしていますが、梅雨入りしていない本州付近の梅雨入りの平年日は以下の通りです。

九州南部5月30日ごろ、九州北部6月4日ごろ、四国6月5日ごろ、中国6月6日ごろ、近畿6月6日ごろ、東海6月6日ごろ、関東甲信6月7日ごろ、北陸6月11日ごろ、東北南部6月12日ごろ、東北北部6月15日ごろ。

この先の予報をみると、名古屋、東京、仙台は、週明けにかけて傘マークが付いています。ただこれは上空の寒気の影響によるもので、梅雨入りの発表に至ることはないでしょう。来週は西日本を中心に晴れる日が多い見込みです。

ところが注目は10日(月)頃から、九州から関東にかけて傘マークがずらりと並んでくること。どうやらこのタイミングで、平年よりは遅く、九州から関東にかけて、梅雨入りとなる可能性が高くなってきました。そのあたりを詳しくみてみましょう。

来週は梅雨前線が南下し弱まる

太平洋高気圧と梅雨前線(ウェザーマップ)
太平洋高気圧と梅雨前線(ウェザーマップ)

まず来週は梅雨前線を押し上げる南の太平洋高気圧の勢力が弱まるため、梅雨前線は日本の南に大きく南下し、沖縄でも来週半ば頃は、梅雨の晴れ間が広がるでしょう。7日(金)頃には関東付近にまで一時的に北上する計算もありますが、このあたりは不確実性が大きくなっています。

来週は高気圧場で少雨

5日平均の地上気圧と降水量(ウェザーマップ)
5日平均の地上気圧と降水量(ウェザーマップ)

上図は気象庁が発表しているアンサンブル予報での、5日平均の地上気圧(左図)と降水量(右図)の予想です。5日(水)から9日(日)にかけての5日平均では、日本付近での地上気圧は黄色からオレンジ色になっていて、これは平年よりも高気圧の場となっていることを表していて、平年より晴れる日が多い予想ともいえます。

また降水量は日本の南にまとまった領域がありますが、本州付近には目立った降水量は計算されておらず、これらのことから5日(水)から9日(日)頃は、本州付近では晴れて降水量が少ない傾向だとみてとれます。

6月10日頃から本州付近に梅雨前線がのびる

太平洋高気圧と梅雨前線(ウェザーマップ)
太平洋高気圧と梅雨前線(ウェザーマップ)

ところが来週の末以降、再来週にかけては、南の太平洋高気圧の勢力が強まり、本州付近では上空の強風帯も顕在化するため、それに合わせるように、大陸から本州付近に梅雨前線に伴う雨雲がのびてくる予想です。このような計算は徐々に増えていて、どうやらこのタイミングで、九州から関東にかけて、梅雨入りとなる可能性が高まってきたとみていいでしょう。

再来週は低圧場で本州南岸に雨雲の帯が出現

5日平均の地上気圧と降水量(ウェザーマップ)
5日平均の地上気圧と降水量(ウェザーマップ)

再来週10日(月)から14日(金)にかけての5日平均では、日本付近での高気圧の場が一転、青色の低気圧の場の傾向となっていて、しかもこれが東西に幅広く予想されていることから、梅雨前線が本州付近に横たわる傾向とみてとれます。またこれに見合うように、やや南ではありますが、本州付近から本州の南岸付近に梅雨前線に対応する降水量の多い領域が計算されています。

以上のことから、九州から関東にかけての梅雨入りは、平年より遅れて、6月10日頃が濃厚ではないかという見立てになります。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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