梅雨前線が大きく南下するほど雷の危険度が上昇、そのわけは?
あす2日(日)夜の予想天気図
これから週明けにかけて、梅雨前線は日本の南海上へ大きく南下するでしょう。あす2日(日)午後9時の予想天気図をみても、梅雨前線は本州の南海上へ遠く離れていますが、こんな時ほど、かえって危険な天気となることがあります。それは梅雨前線が大きく南下するほど、本州付近には北から強い寒気が南下していることが多いためです。
あす2日(日)もまさに然りで、日本海の上空5500メートル付近には、-18度以下の強い寒気(寒冷渦)が南下してくるでしょう。この寒気は東日本周辺では平年より6度以上低く、4月並みの寒気に相当します。またこの寒気の中心の地上付近には低気圧があって、この低気圧に向かい、南から湿った空気が流れ込むため、寒気の中心の南東側(南東象限)で、特に雷雲が発達しやすくなります。
雷三日という言葉がありますが、これはこのような寒気(寒冷渦)が流れ込むと、寒気が抜けるのに3日程度はかかるため、それくらいの期間、雷に注意が必要だということを表しています。今回も今夜から不安定が徐々に始まり、あす2日(日)から3日(月)をピークに、4日(火)頃までは不安定な天気が続く見込みです。
1日(土)夜は関東で雨雲発生
きょう1日(土)は、関東で不安定が徐々に始まり、夕方から夜遅くにかけて、北部を中心に雨雲が発生し、一部では雷を伴う所があるかもしれません。
2日(日)午前中は早くから雨雲が発生へ
2日(日)になると、寒気の南東側(南東象限)にあたる東日本では、午前中から雨雲がわき出し、昼前には早くも雷雲の発生する所が出てくるでしょう。
2日(日)午後は関東や東北で激しい雷雨か
そして2日(日)午後になると、雨雲は広範囲で一段と発達し、特に東北南部から関東北部を中心に、激しい雷雨となる所があるでしょう。活発な雨雲が発生する予想で、警報級の大雨となる所があるかもしれません。
発雷確率もかなり高い
あす2日(日)昼過ぎの発雷確率(雷の発生する確率)をみると、東北から関東甲信にかけて、50%以上の赤色が広がっていて、長野県の一部には75%以上の茶色もみられる状態です。晴れていても急に雷雲がわき立つ危険があります。大雨による低い土地の浸水、河川の増水、土砂災害に十分注意するとともに、落雷や竜巻などの激しい突風、ひょうなどにも注意が必要です。
梅雨入りは6月10日前後か
上述したとおり、週明けにかけて降る雨は、上空の寒気によるものですから、おそらく気象庁からは梅雨入りの発表はないでしょう。寒気の影響が小さい西日本は梅雨時を忘れるくらい来週は晴天が続く見込みです。
ただ来週末に注目すると、9日(日)は九州から雨が降り出し、10日(月)から11日(火)頃にかけて、東日本にも広がってくる予想です。これは上空の寒気によるものではなく、西からのびてくる梅雨前線位相に伴う雨とみられます。まだ1週間以上先で、不確実性は大きいものの、早ければ、この頃に九州から関東にかけて、一斉に梅雨入りが発表される可能性があります。