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梅雨入り前に再び猛暑のおそれ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
暑い都心(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

梅雨入りのリハーサル

雲と天気図(ウェザーマップ)
雲と天気図(ウェザーマップ)

きょうは日本の南にある梅雨前線が一時的に北上してきており、西日本から東日本にかけて曇りや雨の所が多くなっています。

このまま前線が南下しなければ、関東以西でも多くの所で梅雨入りとなってもおかしくない天気図ですが、あす月曜日には日本の南に大きく南下するため、いわば梅雨入りのリハーサルということになりそうです。

すでに梅雨入りが発表されている沖縄、奄美、九州南部以外の関東以西の梅雨入りは今週木曜日から金曜日頃となる可能性が高いと思われますが、その梅雨入りを前に再び晴れて厳しい暑さに見舞われそうで、内陸では猛暑日が出るかもしれません。

暖気が列島を包み込む予想

上空の暖気予想(ウェザーマップ)
上空の暖気予想(ウェザーマップ)

上空1500m付近の暖気の予想をみてみましょう。

梅雨入りのリハーサルが終わった後、中国大陸から徐々に暖気が流れ込む予想です。1500m付近で15℃以上の暖気は、地上で晴れれば多くの所で30℃以上の真夏日をもたらす力があり、水曜日から木曜日にかけて、西日本から東日本をすっぽりと包み込む様子がうかがえます。

さらに18℃以上の濃いオレンジ色の暖気は同じく地上で35℃以上の猛暑日をもたらす力があり、ピークとなる木曜日にかけて、西日本を中心に流れ込む予想です。

関東から近畿の内陸で35℃以上のおそれ

週間予報(気象庁発表資料に加工)
週間予報(気象庁発表資料に加工)

暖気がピークとなる水曜日から木曜日は、多くの所で31℃から33℃程度の真夏日となる予想で、よく晴れる、あるいは風向きなどの気象条件によっては35℃から36℃程度まで上がるような予想幅となっています。

先日の記録的な猛暑の時は、北海道を中心にこの予想幅の上限に達した所もありますので、今回も気象条件によっては35℃以上の猛暑日が続出する可能性があります。

東京、名古屋、大阪なども真夏日に

週間予報(気象庁発表資料に加工)
週間予報(気象庁発表資料に加工)

東京、名古屋、大阪などでも、水曜日から木曜日にかけて、30℃以上の真夏日となり、気象条件によっては33℃前後の厳しい暑さとなることも予想幅で示されています。

先日の暑さによって身体は徐々に暑さに慣れてきた感じもありますが、夏至(6月22日)が近付き、一段と太陽の力は強烈となってきています。炎天下となる昼前後を中心に、今週は熱中症に対して、十分な警戒が必要となりそうです。

またこの厳しい暑さが収まるとともに梅雨前線が北上してきますので、金曜日頃を中心に、九州南部以外でも、梅雨入りの発表が一斉に行われるかもしれません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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