延べ642地点に5月1位の暑さをもたらした異常暖気、ようやく抜ける
北海道を通過した異常暖気
週末から週明けにかけて、北海道を中心に記録的な猛暑に見舞われました。
普通暑くなると言えば、南海上から暖かな空気が流れ込んで気温上昇というのが常套句のような感じですが、時には中国大陸で育った暖かな空気が日本海を経由して北日本を中心に流れ込んでくることがあります。
今回の暑さは紛れもなくこのパターンです。
ですから時々あるパターンとも言えるのですが、今回特異だったのはこの時期としては異常なほどに暖まった暖気が流れ込んできたということにあるでしょう。
北海道の暖気がピークを迎えた上図25日(土)21時、札幌上空約1500メートルの気温は22.3℃(平年6.6℃)を観測しましたが、これは5月の過去1位の記録18.5℃を信じられないほど大幅に更新しました。ちなみにこれは6月の1位22.1℃よりも高いほどでした。
今回の異常暖気で5月の観測史上1位を記録した地点数は、
23日(木)1地点、宮崎県串間30.8℃
24日(金)10地点、高知県中村34.0℃など。
25日(土)140地点、大分県竹田35.0℃など。
26日(日)289地点、北海道佐呂間39.5℃など。
27日(月)202地点、埼玉県熊谷36.2℃など。
と延べ642地点にも上りました。
特に26日(日)は289地点中133地点が北海道で、この内36地点で観測史上1位の高温となりました。
際立ったのはフェーン現象の絡んだ道東で、佐呂間39.5℃、帯広、足寄、池田で38.8℃など、5月としてはまさに信じられないような大猛暑となりました。
異常暖気ようやく東へ抜ける
北日本(特に北海道)を中心に、5月としてはかつてないほどの猛暑をもたらした暖気はけさの段階でようやく日本の東へ抜けようとしています。
また日本付近で南北に連なる前線の雲の帯が日差しを遮っていることもあり、昨日までの暑さはほぼ終息しました。
昨日までの3日間、全国で400~500地点(926地点中)にも及んでいた30℃以上の真夏日の地点数は、きょうはわずか8地点にとどまりました。
とはいえ北海道の津別と遠軽では4日連続の真夏日となり、局地的には5月とは思えないような暑さの記録が続きました。
高温傾向はまだまだ続く?
この先、今回のような際立った暖気が上空に流れ込んでくる予想はありませんが、平年よりは高めの傾向が続き、特に6月のスタートとなる週末から週明けにかけて、その傾向が顕著となるかもしれません。
札幌の週間予報では金曜日以降は25℃以上の夏日が続く予想で、今の平年値が20℃前後だということを考えれば、十分な高温傾向が続くと思われます。
東京や熊谷などでも平年よりは高めの気温が続き、特に熊谷では予想幅の高い方にぶれれば、連日30℃以上の真夏日となる予想になっています。
高温に関する異常天候早期警戒情報
気象庁からは高温に関する異常天候早期警戒情報が出されています。
6月1日、あるいは2日(今週末)からの一週間程度は東北から九州にかけての広い範囲で、この期間としては10年に一度程度の高温となる可能性があります。
太陽高度が最も高い夏至(6月22日)が近づき、一段と昼前後の日差しが強烈な季節となってきました。気温ももちろんですが、この強烈な日差しを受けての熱中症にも十分ご注意下さい。