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IBFスーパーライト級、新チャンピオン誕生!

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Esther Lin/SHOWTIME

 ミネアポリスで行われたIBFスーパーライト級王座決定戦は、非常に見応えがあった。

 初回、先手を取ったのは1位のジェレミアス・ポンセ(アルゼンチン)。ポンセは30戦全勝20KOらしく、小気味よいフットワークと手数でペースを奪う。ポンセは第1ラウンドだけで96発のパンチを放った。そして、再三ボディブローをヒットし、リズムを掴む。 

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 しかし2回、18勝(18KO)1敗のスブリエル・マティアス(プエルトリコ)は接近戦を挑む。ポンセの攻撃を空転させながら、自身のパワーパンチをヒットするタイミングを窺っていた。敢えてクロスレンジの戦いをすることで、ポンセの得意とする距離を潰したのだ。

 マティアスは流れを引き寄せる。ポンセも手を出し続けたが、プエルトリカンが打ち勝った。

Esther Lin/SHOWTIME
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 そして迎えた第5ラウンド残り22秒、マティアスのショート連打を喰らったアルヘンティーナがキャンバスに崩れ落ちる。立ち上がりはしたが、第6ラウンド開始前のインターバルでセコンドが棄権。プエルトリカンが新チャンピオンとなった。

Esther Lin/SHOWTIME
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 勝者は語った。

 「夢のようだね。明日になれば気持ちが変わるかもしれないが、今は夢が叶ったって感じだ。序盤は我慢が必要だったが、試合が進むにつれてポンセにパワーがなくなっていくのが分かった。彼のダメージは深刻だったから、試合終了は特に驚かなかった」

 ポンセも話した。

 「互角の戦いをしたと感じましたが、1発のパンチですべてが変わってしまいました。スブリエルはタフで強いファイターでした。彼の実力は分かっていましたよ」

Esther Lin/SHOWTIME
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 試合前から語っていたが、IBFのベルトを手に入れたマティアスは、WBC同級王者レジス・プログレイスとの統一戦に狙いを定めた。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20230224-00338134

 新チャンプはTVカメラに向かって捲し立てた。

 「レジス・プログレイス、待ってろよ! 俺は今、世界チャンピオンだ。約束するよ、お前を倒しに行くぜ。

 プログレイスは口が達者だが、俺だってメンタルは強い。どちらが強いか、決めようじゃないか。ボクシング界には、お前より上の人間がいることを分からせてやるぜ」

ジャーボンテイ・デービス
ジャーボンテイ・デービス写真:REX/アフロ

 注目されるライト級戦、ジャーボンテイ・デービスvs.ライアン・ガルシア戦の勝者も、試合後スーパーライト級に上がってくる可能性がある。140パウンドも燃え上がりそうだ。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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