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メイウェザーが売り出す、3階級制覇チャンプが12/5に防衛戦

林壮一ノンフィクションライター
Photo:Amanda Westcott/SHOWTIME

 12月5日、3階級制覇王者のジャーボンテイ・デービスが、14戦全勝12KOの挑戦者、ローランド・ロメロを迎え撃つWBAライト級タイトルマッチは注目を集めていた。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20211024-00264478

 デービスは、プロモーターとなったフロイド・メイウェザー・ジュニアが力を注いでいる男である。

 しかし、ロメロが多数の女性に性的暴行を行ったという文章が、被害を訴え出た女性によってソーシャルメディアで発表され、警察が捜査に乗り出したことから試合が白紙となる。

Photo:Amanda Westcott/SHOWTIME
Photo:Amanda Westcott/SHOWTIME

 そこでSHOWTIMEが代役に選んだのが、22勝(15KO)1敗1分けのメキシカン、イサック・クルスである。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20201116-00207483

 ロメロに比べれば、クルスは期待のチャレンジャーと言う程でもない。が、PPVがキャンセルとならなかったことに、SHOWTIMEもメイウェザー・プロモーションも、そしてデービスも胸を撫でおろしている。

 デービスは言う。

 「現在、このポジションに立っていることが幸せだし、ワクワクする。新たな対戦相手との試合に向け、ハードなメニューをこなしているよ。クルスは絶対に前に出てくるだろうな。

 俺たちは打ち合うだろうから、ファンが楽しめる内容になることは間違いない。互いにベストコンディションでリングに上がるさ。12月5日を楽しみにしてほしい。

 何が起こるか分からないのがボクシングだ。だからそれ相応の準備をして、自分の仕事を成し遂げたいね。

 俺は、ああいう背の低い(163センチ)選手と戦ったことはない。大抵、自分より背の高い選手と対戦してきた。クルスも俺みたいなタイプとのファイトは経験していないだろう。俺は足も使えるし、接近戦もできる。大きな花火を打ち上げてやるよ」

Photo:Amanda Westcott/SHOWTIME
Photo:Amanda Westcott/SHOWTIME

 「クルスのここ数試合は目にしている。いい選手だよね。勝ち方も称えられる。ハートの強さも見せるに違いない。

 ボクサーにはいつだって適応力が求められる。俺は対クルス戦で、新たなモノを見せるよ。毎日、クルスのボクシングを考えながら練習しているんだ。自分より上背のない選手用の対策はしているつもりだぜ。

 俺は日々、進歩している。今回のリングでもそれを見せたいね」

写真:ロイター/アフロ

 会場はロスアンジェルスのステイプルズ・センター。2000年6月17日にオスカー・デラホーヤがシェーン・モズリーに判定負けし、2003年6月21日にレノックス・ルイスがビタリ・クリチコを下し、直後に引退を決めた場所だ。

 目下25戦全勝24KOのデービスは、何を見せるか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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