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明日、ゴング!2度目の防衛戦のリングに上がる日本チャンプ&ラーメン屋店主

林壮一ノンフィクションライター
撮影:筆者

 2023年6月13日に日本スーパーフライ級チャンピオンとなった高山涼深(たかやますずみ)が、明日、2度目の防衛戦を迎える。

 昨年11月に左第3中手骨を骨折し、12月14日に催される筈だった試合が流れた。今回は1位のチャレンジャー、古谷昭男と拳を交える。

撮影:筆者
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 高山が中学生だった頃から指導する小口忠寛トレーナーは語る。

 「ケガもあって調整が遅れがちでしたが、ようやく仕上がりました。ベストコンディションでリングに上げてやれます。本来のキレを取り戻しましたよ。古谷は基礎がしっかりしていて、ハートもある選手ですが、大丈夫。涼深の強打で潰します!」

撮影:筆者
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 今回、高山がこなしたスパーリングは合計で95ラウンド。第45代日本スーパーフライ級王者も話す。

 「僕はケガが多いんですよね。左手の前に、右足第5中足骨も骨折したこともあります。こんな調子じゃ上は目指せないと反省しました。日常生活から、もっと意識を高くしなければ。日本チャンピオンくらいで満足してはいけない。世界に出ていくには、頑丈な体も作る必要があると、自分を見詰め直しました。

 ケガをしたばかりの頃、小口さんから『右一本で練習しろ!』って言われたのに、落ち込んでしまってロードワークしかしなかった。今振り返れば、挫けている時間がもったいなかったですね」

撮影:筆者
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 高山は現在、WBC、IBFで共に13位と世界ランキングにも名を連ねるようになった。

 「古谷は中間距離での戦いを得意とする印象があります。相手のストレートを芯でもらわない技術を持っていますね。彼が嫌がる動きを徹底してやりますよ。

 初防衛戦では知らず知らずのうちにプレッシャーを感じてフワフワしていましたが、2度目なので、雰囲気を理解した感があります。視野を広く、平常心でリングインしたいですね」

撮影:筆者
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 小口は愛弟子がボクシングに集中できるよう、高山が経営するラーメン店『中華蕎麦 無冠』のオープンを後押しした。開店数週間後から、行列ができる人気店となっている。無論、高山には師に応えたいという強い気持ちがある。

撮影:筆者
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 「いつもと違った高山涼深、世界にちょっと近付いた僕をしっかりとご覧に入れます。周囲にも、自分自身にも変化した点、成長の証を見せるつもりです」

撮影:筆者  行列の理由はこの「牡蠣塩ラーメン」
撮影:筆者  行列の理由はこの「牡蠣塩ラーメン」

 明日、後楽園ホールにゴングが響く。高山、そして小口の戦いを目に焼き付けたい。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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