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112-113。また1点差で敗れたブレイザーズ

林壮一ノンフィクションライター
28得点したCJ・マッカラムだったが……(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ここ数年の間にロスアンジェルス・クリッパーズと17度対戦し、14回敗れているポートランド・トレイルブレイザーズ。

 現地時間、4月20日に行われたゲームでは苦手意識を払拭すべく、1Qから気持ちのこもったプレーを見せる。ハーフタイム時で60-56、試合終了まで1分の時点で112-107とリードし、あと一歩で白星を挙げることが出来たが……。

 残り4.8秒でポール・ジョージに2本のフリースローを決められ、またしても1点差で涙を呑んだ。 ブレイザーズは4月13日のボストン・セルティックス戦でも、115-116で敗者となっている。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20210416-00232768/

 最後の最後にCJ・マッカラムが放ったシュートが入れば、ブザービーターとなったが、112-113でゲームを終えた。

 右脹脛のケガの回復に時間を要し、3試合連続の欠場となったエースのデイミアン・リラード、右膝を痛めたセンターのユスフ・ヌルキッチがコートにいないなか、残るメンバーで善戦したことは確かである。

 しかし、ブレイザーズはこの日も勝てる試合を落としてしまった。

ダブルWをマークしたポール・ジョージ
ダブルWをマークしたポール・ジョージ写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 クリッパーズはエースのポール・ジョージが36分51秒出場し、33得点11リバウンド、3アシストの活躍を見せた。彼が32得点以上をマークするのは、直近の7試合で6度目である。

 クリッパーズのタロン・ルー監督も「ポールがチームを引っ張っている。チームメイトのレベルを上げるだけでなく、得点源でもある。彼は望まれる全ての事を行っている。今夜も完璧な仕事ぶりだった」と、絶賛する。

 勝負の世界に「タラ、レバ」は禁物だが、リラード無しでブレイザーズが勝利する可能性は十二分にあった。それでも勝ち切れないのだから、やはりリラード不在を嘆かざるを得ない。

やはりブレイザーズはリラードのチームだ
やはりブレイザーズはリラードのチームだ写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 この日、リラードの代わりにマッカラムをポイントガードに据えてティップオフを迎えたテリー・ストッツ監督の判断は正しかった。マッカラムは28得点5リバウンド5アシストをマーク。

 試合後、マッカラムは「俺たちは"戦った"と思う。勝利するために、やれることをやり遂げた。でも、敗者となった…」と静かに語った。

 とはいえ、最後のシュートを外してしまうところが、リラードとの大きな差だ。

CJ・マッカラム
CJ・マッカラム写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 3月25日からブレイザーズのユニフォームに身を包むノーマン・パウエルは、スモールフォワードとしてプレーしてきたが、シューティングガードを任され、23得点した。

ノーマン・パウエル
ノーマン・パウエル写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 試合後、ブレイザーズのテリー・ストッツ監督は言った。

 「最後の1分、ノーマンは非常に良かった。CJも素晴らしいパスを彼に送った。ノーマンは彼の持ち場において、3番目に優秀な確率で3ポイントを決めている。彼よりも優秀な選手は、そういない。

 そしてCJも、いい仕事をした。今日の我々の戦いぶりは良かったと思う。やるだけやったが、相手が我々を上回る強敵だったということ。最後の1分を自分たちのモノとすることが、かなわなかった……」

 クリッパーズとのここ18回の対戦で、15度目の黒星を喫したブレイザーズ。一見、僅かのようで重いワンポイントの差を、今後どのように埋めていくか。いかなる答えを見付けるか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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