ドイツ国防大臣「神風ドローンによる攻撃は脅威。空軍力の強化を」テロリストなどによる非対称戦を懸念
アゼルバイジャンとアルメニアの紛争での神風ドローンに脅威
ドイツの国防大臣のアンネグレート・クランプ=カレンバウアー氏はドイツのメディアZeitの取材で、無人ドローンによる攻撃の脅威が高まってきていることをあげていた。カレンバウアー氏は2020年にアゼルバイジャンとアルメニアのナゴルノ・カラバフ紛争でドローンが戦闘の主力として活用されており、アゼルバイジャンの「神風ドローン」による攻撃でアルメニアに大打撃を与えていたことに対して大きな脅威を感じていた。
カレンバウアー氏は「ナゴルノ・カラバフ紛争では従来の紛争と異なる形でドローンが使用されることを目の当たりにしました。戦争でのドローンの活用は非対称的な脅威になってきています。なぜならそのような軍事ドローンは政府以外のテロリスト集団でも利用することが可能だからです。再び空軍による国防をしっかりと考えないといけません」と語っていた。ナゴルノ・カラバフ紛争ではアゼルバイジャンがイスラエル製の「神風ドローン(Kamikaze Drone)」や「自爆ドローン(Suicide Drone)」と呼ばれる標的を認識すると突っ込んでいき攻撃を行うドローンを使用していた。
イスラエルと軍事ドローンで連携を進めるドイツ
たしかに小型の軍事ドローンであれば、低価格でありテロリスト集団でも購入して使用が可能である。また標的を認識して相手に突っ込んでいき爆破させるので、攻撃側に犠牲者が出ることもなく人的コストがかからない。まさにドイツのような大国にとってもテロリスト集団からのドローンによる攻撃による、非対称的な戦いが繰り広げられる可能性があり、大きな脅威になり得る。
そしてドイツではイスラエルと2018年6月から軍事ドローンで連携を行ってきた。ドイツはイスラエルからドローンを購入して、イスラエルとの軍事ドローンでの連携を強化している。2020年7月にはイスラエルの軍事メーカーであるイスラエル・エアクラフト・インダストリーズ (IAI)が開発したドローン「エイタン(Eitan)」の試験をイスラエルとドイツでの両国で実施した。
▼アゼルバイジャンによるアルメニアへの神風ドローンでの攻撃の様子
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