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Facebook、傘下のインスタグラムやメッセンジャーも絶好調で増収増益

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

 Facebookは2019年1月30日、2018年第4四半期(10~12月期)の業績を発表した。第3四半期の売上高は前年同期比30%増の169億1400万ドル(約1兆8000億円)で、純利益は前年同期比61%増の68億8200万ドル(約7500億円)だった。モバイルでの広告売上高は広告売上高全体の約93%を占めており、モバイルと広告収入に依存の収益構造は以前と変わらず、モバイルへの依存がますます強くなってきている。

 Facebookを毎月利用するマンスリーアクティブ利用者(MAUs)は、2018年12月時点、全世界で23億2000万人。デイリーアクティブ利用者数(DAUs)は、全世界で15億2300万人だった。

 個人情報流出問題が懸念されており、セキュリティ対策を強化していくと強調しているザッカーバーグCEOは「最大の社会問題にフォーカスを当てるためにもFacebookの経営方針を根本的に変化させる。人々が繋がっていくための刺激的で感動的な新たな方法を生み出すために、これからも投資していく」とコメント。

絶好調の「Facebookファミリー」

  Facebookは傘下のSNSであるFacebook、写真共有アプリInstagram(インスタグラム)、メッセージのWhatsApp、Facebook Messenger(メッセンジャー)という「Facebookファミリー」のアプリ全部でのマンスリーアクティブ利用者(MAUs)が27億人を突破していることを明らかにした。特にInstagramは日本でも「インスタ映え」と言われているほど、世界規模でも若者を中心に人気があり、Instagram Storiesは1日に5億人以上が利用している。

 Facebook利用者の約70%の15億人以上がアジア太平洋地域やその他の新興国市場で、これらの市場が占めるシェアは毎期ごとに増加している。新興国でもスマホの普及によって、Facebook利用者数が大きく伸びている。だが、まだ売上のほとんどは北米(アメリカ)と欧州だ。アジアや新興国でのマネタイズにはまだ時間がかかりそうだ。

Facebookの四半期ごとの地域別MAUの推移と割合(公開情報より作成)
Facebookの四半期ごとの地域別MAUの推移と割合(公開情報より作成)
学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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