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イギリス「自律型キラーロボット開発か」反ドローン団体が懸念を表明:国防省は否定

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

 イギリス政府は自律型殺傷兵器システム(LAWS)の開発には反対している。「キラーロボット」と呼ばれており、AIとロボットの発展によって、ロボットが自律して人類に攻撃をしてくることが懸念されており、多くの国や著名人も自律型殺傷兵器システムやキラーロボットの開発に反対を表明している。

 イギリス政府もキラーロボットの導入や開発には反対の表明をしているが、イギリスの反ドローンNGO組織「Drone Wars UK」はイギリス政府と国防省が人間の関与なしで攻撃が行える自律型ドローンの開発を行っているとレポート「Off the Leash」で明らかにした。イギリス政府が2億ポンド(約300億円)投資して、BAE Systemsなど軍事企業と国防省が自律型のドローンを開発しているとのこと。

▼Taranis first flight- RAF100(BAE Systems)

「キラーロボットは可能性の高い話だ」

 レポート執筆者の一人のPeter Burt氏は「イギリス国防省は軍事企業や大学と共同して様々な開発を行っている。このドローンは自律した兵器の最新の事例で、自律型殺傷兵器システムやキラーロボットはもはや遠い将来の話ではなく、起こりうる可能性の高い話だ。戦争でこのような兵器が使われることを阻止しないといけない」と語っている。

 但し、イギリス国防省のスポークスマンは自律型兵器の開発は否定しており「ロボットやドローンによる攻撃でも人間による最終的な判断が必ず入り、ロボットやドローンが自らの判断で標的を攻撃をすることはない」とコメントしている。

▼BAE Systemsが公開している無人兵器による新たな戦い方を紹介する動画(BAE Systems)

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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