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米国シカゴ「歩きスマホ」で罰金最大500ドルを検討

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:アフロ)

 2017年10月からハワイのホノルルでは「歩きスマホ」の罰金が導入された。日本だけでなくアメリカや世界中で「歩きスマホ」による交通事故やトラブルが後を絶たない。

「歩きスマホ」に違反したら1万円~6万円の罰金を検討

 2017年11月には、アメリカのシカゴ市の市議会議員のEdward Burke氏とAnthony Beale氏が、シカゴでも「歩きスマホ」による罰金制度の導入を提出した。道路歩行中に「歩きスマホ」をしていた場合、罰金として90ドル(約1万円)から最大500ドル(約6万円)と違反の回数によって罰金の金額は異なる。

 シカゴ市議会議員のAnthony Beale氏は「この法案の導入目的は、特に道路横断時に歩行者の死亡事故と怪我をなくすこと」と語っている。シカゴでは2017年1月~6月の6か月間で既に27人の歩行者が事故で死亡している。全員が「歩きスマホ」が原因で死亡事故に至っているわけではないが、2016年は1年間で死亡事故が28件だった。

 

 シカゴ市長のRahm Emanuel氏はCBSへのインタビューで「誰もが『歩きスマホ』をやってしまうが、他人が『歩きスマホ』をしている時にはイライラしてしまう。人々の安全に関わることだ」とコメント。現時点では導入の判断を明確にはしていないようだ。

 ハワイのホノルルでの「歩きスマホ」罰金を皮切りに、今後もアメリカや世界中の都市で「歩きスマホ」禁止や罰則制定の動きが出てくる可能性が高い。すでにカナダのオンタリオ州でも検討されている。「歩きスマホ」による死亡事故や怪我、トラブルは全世界共通の課題だ。

▼シカゴでの「歩きスマホ」罰金案を報じるCBSニュース

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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