Twitter:全世界で3億人と微増の利用者数、今後は「ライブ動画」に注力
Twitterは2016年4月26日、2016年第1四半期(2016年1~3月)の決算を発表した。売上高は前年同期比36%増の5億9,500万ドル。純損失は7,973万ドルの赤字だったが、それでも前年同期の億6,244万ドルから赤字幅は縮小した。
広告収入のうち88%がモバイル広告
Twitterの売上高のうち90%は、広告収入である。広告の売上は前年同期37%増の5億3,100万ドルだった。そして、モバイル広告が広告売上高全体に占める割合は88%だった。利用者数は伸び悩んでいるものの、広告売上は前年同期比よりも大きく増加している。売上に占める米国市場が約65%という構造もいつも通りである。
▼Twitterの売上高の推移および広告収入とその他の比率
▼売上高の地域別推移と比率
大きな伸びを見せないTwitter利用者数
月間アクティブユーザー(MAU)は3億1,000万人で、Twitterの利用者数は決して大きく伸びていない。特に売上の65%を占めているアメリカ市場の利用者はほとんど横ばいであり、今後も大きな伸びが期待できないだろう。そしてモバイルからのアクセスがMAU全体に占める割合は約83%とほとんどがモバイルからの利用である。なお、今期から「SMS Fast Followers」の利用者を入れていない。
Facebookが全世界でMAUが16億人を超え、Instagramも4億人を超え、順調にユーザー数を増加させているものの、Twitterはここ1年の間3億人くらいのままで大きな伸びを見せていない。
▼アクティブユーザー数の地域別推移と比率
ライブ動画に注力していきたいTwitter:米国NFLのストリーミングも
売上は伸びているものの、利用者は大きく増加していないし、赤字のままのTwitterだが、今後注力していくポイントは「ライブ動画」だと強調している(We're focused on what Twitter does best: live. Twitter is live)。PeriscopeのストリーミングをTwitterのタイムライン上で視聴できる。
また、2016年4月5日にはアメリカのNFL(ナショナルフットボールリーグ)はTwitterで「Thursday Night Football(TNF)」全16試合中10試合のストリーミング提供する権利を与えた。Twitterでは試合だけでなく、試合のハイライトや選手へのインタビューなどをPeriscopeでストリーミングする予定で、Twitterのアカウントがなくても視聴できるので、全世界で8億人以上の視聴者を見込んでいる。
今回のストリーミング権もFacebook、Yahoo!、Amazon、Verizonらが交渉していたそうで、NFLはアメリカでは大人気のコンテンツである。Twitterの売上の65%を占めるアメリカ市場で更なる利用者増を期待しているのだろうが、NFLの試合は従来通りテレビや他の媒体でも放映される。NFLをストリーミングすることによってTwitterの利用者がどれだけ増加して、赤字が縮小できるかは不明である。