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首都圏の投資用新築マンションは、年々郊外化して高額化。2500万円以下の比率は12%に

櫻井幸雄住宅評論家
都心部だけの特殊な形態と言われていたワンルームマンション、今は郊外立地が増加。(写真:イメージマート)

 8月8日、不動産経済研究所が首都圏投資用マンションの分析データを発表した。「2023年上期及び2022年年間の首都圏投資用マンション市場動向」だ。

 不動産経済研究所は、年に1回、毎年8月に投資用新築マンションのデータを発表している。これは、投資用ワンルームマンションの市況が分かる貴重なデータとなっている。

 同研究所の発表は影響が大きく、最近ではコロナ禍で新築マンションは価格が大きく上昇し、それでも売れ行きは良好であることが明らかにされ、多くのニュースで取り上げられた。

 しかしながら、「高額化し、売れ行き良好」とされる新築マンションのデータに投資用ワンルームが含まれていないことはあまり知られていない。

 不動産経済研究所は、以前から首都圏の「新築マンション市場動向」の調査に投資用ワンルームのデータを含めていないのだ。

 そのため、投資用新築マンションは、その実情が分かりにくい。たとえば、投資用ワンルームとなれば、新築でもそんなに高い物件はないはず。2000万円台までの物件が多いと考えられがちだが、じつはかなり値上がりしている。

 2022年に首都圏で新規販売された投資用マンションの平均面積は27.05平米。まさにワンルームの広さだが、2500万円以下で購入可能な物件の比率は12パーセントにすぎない。

 2022年における首都圏の投資用新築マンションの平均価格は3284万円。投資用ワンルームといっても、結構高いのである。

 では、首都圏で投資用マンションはどんな場所に多く供給されているのか。そして、コロナ禍が起きた2020年以降、投資用ワンルームの市況はどのように推移してきたのか。ニュースとして目にすることが少ないワンルームマンションの現状を解き明かしたい。

今、投資用マンションが多く供給されている場所は……

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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