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コロナ禍でコンドームの売れ行きは変化したか

坂口孝則コメンテーター。調達コンサル、サプライチェーン講師、講演家
(写真:CarteBlanche/イメージマート)

私はサプライチェーン業務に従業しています。そこで、ドラッグストアにおけるコンドームの売れ行きについて調査してみました。

●2019年度(2019年4月~2020年3月)

●2020年度(2020年4月~2021年3月)

上記、2年度のデータが明らかになりました。調査したのはドラッグストア一店あたりでコンドームが売れた点数です。これは社会学的には、男女の出会いが減ったために、生活の変化が起きたかどうかの実証になるはずです。

メディアや政府、分科会等は、コロナ禍を収束するために、一年以上にわたって、人流を抑えるように喧伝してきました。すると必然的に男女交流の新たな機会も減ると予想できます。

結果から述べると、次の結果となりました。

ドラッグストアでのコンドーム売上点数
ドラッグストアでのコンドーム売上点数

これはドラッグストアで、2019年4月に販売したコンドームの売上点数を1としたときの推移です。2年分のグラフとなります。

もともと、コンドームは夏に売上を伸ばし、次にクリスマス時期にも数量が伸びます。例年ずっとそういう伸びを示します。この理由は割愛します。ご想像におまかせします。少なくとも、事実がそうであるということです。

ところで、2020年の2月くらいからコロナ禍の影響は甚大になってきましたが、グラフを見ると、コンドームの売上点数も劇的に下がっていることがわかります。

もちろん(?)2020年度も夏あたりに微増は確認できますが、2019年ほどではありません。また2020年度の後半=2021年初頭の緊急事態宣言時には、大きく売上を下げています。飛沫を避けるようになったので、それ以上の行為を避けようとするのは当然かもしれませんが。

さて、これを地域別に見てみましょう。

代表地域別のコンドームの売上点数比較
代表地域別のコンドームの売上点数比較

これは代表地域別で、2019年度の売上と2020年度の売上を比較したものです。

コロナ禍は関東圏と近畿圏が悲惨な状況でした。グラフでもわかるとおり、たしかに関東圏と近畿圏の売上がもっとも落ち込んでいるとわかります。

なお私はコロナ禍において、どんちゃん騒ぎして良いという立場ではありません。また、若者は何でも好き勝手にやれという立場でもありません。コンドームの売上点数減少を、ただ嘆いているわけではありません。

しかし、男女の出会いが減り、そして結果としてコンドームの販売個数が減っている状況を事実として報告しておこうと思いました。

みなさんは良くも悪くも、どう思うでしょうか。

コメンテーター。調達コンサル、サプライチェーン講師、講演家

テレビ・ラジオコメンテーター(レギュラーは日テレ「スッキリ!!」等)。大学卒業後、電機メーカー、自動車メーカーで調達・購買業務、原価企画に従事。その後、コンサルタントとしてサプライチェーン革新や小売業改革などに携わる。現在は未来調達研究所株式会社取締役。調達・購買業務コンサルタント、サプライチェーン学講師、講演家。製品原価・コスト分野の専門家。「ほんとうの調達・購買・資材理論」主宰。『調達・購買の教科書』(日刊工業新聞社)、『調達力・購買力の基礎を身につける本』(日刊工業新聞社)、『牛丼一杯の儲けは9円』(幻冬舎新書)、『モチベーションで仕事はできない』(ベスト新書)など著書27作

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