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速報!米アマゾンが航空機リース会社の株式取得

坂口孝則コメンテーター。調達コンサル、サプライチェーン講師、講演家
アマゾンは物流まで飲み込み最強の巨大企業になりつつあります(写真:ロイター/アフロ)

米アマゾンは、航空機リース会社であるAir Transport Services Groupの株式を10%取得すると発表しました。先週の金曜日(18日)のことです。

Percent of Class Represented by Amount in Row (9)**9.99%

出典:SC 13G

上記にリンクを貼った、SEC(米国証券取引等監視委員会)への報告書によると、アマゾンの名称とともに株式取得の比率9.99%が報告されています。

アマゾンは、ボーイング社から、配送物流のために航空機を20機ほどリースすると発表したばかりです。また、アマゾンは、このニュースコラムでも取り上げたとおり、海運事業にも進出しています。

航空機リースを実行するだけではなく、そのリース事業を主にしているATSG(Air Transport Services Group)の経営に参加し、経営への発言権を増大することは、アマゾンの物流領域への本格参入を意味しています。

アマゾンは、これまで物流業者を「活用」する立場でしたが、自前主義に舵を切ろうとしています。同社はフルフィルメント業務を拡充するために人員も強化しています。既存の物流業者への価格交渉に使うネタだ、と見る向きもありますが、ここまで本気だとその見方は正しくない可能性があります。

アマゾンがサプライチェーンそのものになってしまう日も近いのかもしれません。

コメンテーター。調達コンサル、サプライチェーン講師、講演家

テレビ・ラジオコメンテーター(レギュラーは日テレ「スッキリ!!」等)。大学卒業後、電機メーカー、自動車メーカーで調達・購買業務、原価企画に従事。その後、コンサルタントとしてサプライチェーン革新や小売業改革などに携わる。現在は未来調達研究所株式会社取締役。調達・購買業務コンサルタント、サプライチェーン学講師、講演家。製品原価・コスト分野の専門家。「ほんとうの調達・購買・資材理論」主宰。『調達・購買の教科書』(日刊工業新聞社)、『調達力・購買力の基礎を身につける本』(日刊工業新聞社)、『牛丼一杯の儲けは9円』(幻冬舎新書)、『モチベーションで仕事はできない』(ベスト新書)など著書27作

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