衝撃!スイスは地下版ドローンで物流を激変させようとしている~地下自律物流網がロジスティクスを変える
スイスが明らかにした地下物流網構築計画
とりあえずこの衝撃的な動画を見ていただけるでしょうか。お時間がない方は、1分すぎくらいからご覧ください。
これは、スイスのCST(Cargo Sous Terrain)が発表した地下物流網を説明するビデオです。スイス国内にいくつかの物流拠点(ハブ)をもつ、という構想です。その構想自体は珍しくありません。
ただ、凄いのが、その輸送手段です。地上でトラックが、次のハブに運ぶのではなく、いま流行りのドローンで飛ばすのではもなく、地下に貨物が沈み、そこから自律的に稼働する貨物機が運ぶというのです。
そのハブに運ぶのは、トラックかもしれませんし、貨物列車かもしれません。あるいは、赤帽のような小規模事業者かもしれません。ただ、そこにさえ運べば、あとは自動配送してくれる、というわけです。
同社の発表によると、2030年までに稼働させるとしています。まずは、スイスのベルン・ゾロトゥルンから、チューリヒまでを結ぶ67キロメートルを目標とするようです。総工費は約4000億円と試算しているようです。
まるでSFのようなカーゴ
報じられている内容によると、
ということで、予想では2010年から2030年までに45%も貨物が増えるようです。だから、そのように増え続ける貨物量をさばいていくことが喫緊の課題なのですね。そしてそれを解決することが社会全体の便益になるといいます。
ところで、このリンク先に載っている写真をご覧いただけると、鉄製のカーゴ(貨物機)があまりにSFちっくでカッコ良いと思っていただけるはずです。
また、この計画は現在、既存の交通網にとらわれず貨物量を増加させうるので、政府の支援も取り付けたようです。
スイス政府の支援のもとフィジビリティスタディ(プロジェクトの実現可能性調査)を行うというのですから、その真剣度が伝わってきます。
物流戦争は地上、地下?
このCST(Cargo Sous Terrain)は投資家をつのり、プロジェクトを成功させるべく奔走しているようです。
地上ではドローン配送が話題になっていますし、さらに自動運転トラックによる配送も検討されています。また、アマゾンFLEXのような一般人を配送に使う方法なども考案されています。
スイスが発表した地下物流網のメリットは、環境負荷低減(CO2削減)や物流過程における騒音軽減も狙っているようです。もちろんデメリットも多くあります(スイス全土に広げようとすると費用が問題となるでしょう)。
ただ、私にとっては、地下に一大物流網を構築するという発想自体が、すごすぎて圧倒されます。笑ってしまうほどです。これが成功するかどうか、具体的に活用されスタンダードになるか、それは見守る必要があるでしょう。
しかし、それにしても、と思うのです。
こういう過激な発想を、日本から聞きたいな、と。