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美しすぎるバスケ女子のタフなメンタル。『Going!』サポーター菜波「先がなくて死ぬ気で痩せました」

斉藤貴志芸能ライター/編集者
テンカラット提供

『Going! Sports&News』の土曜にバスケットボール・サポーターとして出演している菜波。中学・高校と部活でバスケに打ち込み、インスタに上げたドリブル動画で注目されて「CanCam」モデルに。美麗なルックスで明るいキャラクターながら、2年掛けて「死ぬ気で」体型をアスリートからモデルに変えたりと、強靭な精神力を持ち合わせているようだ。バスケットボール・ワールドカップの沖縄での開催が迫り、盛り上げのための発信にも力を入れている彼女のインタビューを前・後編でお届けする。前編は学生時代から芸能界に入るまでと『Going!』の話を。

学校生活は授業以外はバスケでした

――『ビジネスクリック』に出演されていた頃は、髪はロングでしたよね?

菜波 バスケをやっていた中・高時代は短かかったんですけど、芸能のお仕事を始めて、どうにでも振れるように伸ばしたんです。3年前、やっぱりショートが恋しくなった頃、「CanCam」の企画で切ることになって。そこからずっと短いです。

――中学、高校はバスケの強豪校だったんですか?

菜波 都でベスト16くらいを目指していて、先輩たちは行ったんですけど、私たちは32までで悔しさはありました。でも、練習は強豪校のままで厳しかったです。

――菜波さんは1年からレギュラーだったんですよね?

菜波 試合に出させてもらっていました。学校生活は授業を受ける以外はすべてバスケ。早起きして朝練をして、2限までに早弁して昼休みも練習して、放課後はもちろん毎日練習でした。

――思い出の試合はありますか?

菜波 中学最後の試合で、5ファールで退場しました(笑)。でも、相手のセンターが大きくて体を張って止めにいって、自分ではすべてを出し切ったと思っています。

――劇的な逆転シュートを決めた、とかは?

菜波 先輩たちの代に、フリースローで最後に逆転したことはあります。私はセンターで、ゴール下でゴリゴリに当たってファールをもらいにいくプレイスタイルだったので、普段からフリースローは徹底的に練習していたんです。その試合は勝ち上がっていたところだったのでドキドキでしたけど、わりと本番に強いと思っています。

――自分たちが引退した最後の試合は?

菜波 相手がめちゃめちゃ強くて、10点以上の大差で負けましたけど、やるだけやったので悔いは残っていません。でも、やっぱり大号泣でした。

モデルは部活を引退してから目指そうと

――バスケに熱中していた一方で、芸能界にも興味があったんですか?

菜波 小6のとき、竹下通りに初めて母と行って、スカウトの方の名刺を結構いただいてから、意識し始めました。「ニコラ」とかを読むようになって、こんなキラキラした世界があるのかと。バスケをゴリゴリにやっていた自分とは正反対。モデルさんに憧れて、高校に入ったとき、一瞬迷いはありました。

――バスケをやめて、モデルを目指そうと?

菜波 芸能界の方は始めるのが早いし、それもありかなと。でも、バスケ部の体験入部に行ったら、気づくと入っていて(笑)。そしたらもう、モデルなんて言葉は出せません。当時は髪を伸ばすだけで「チャラチャラしてる」と言われてましたから。練習時間的にも両立は無理で、脚とかもアザだらけ。とりあえず引退までは部活を頑張って、それから考えることにしました。学生時代は今だけ。人生長いから、どうにかなるだろうと思って。

――事務所には入ったんですか?

菜波 それも部活がきっかけでした。練習試合の帰りに、代官山を全身グレーのジャージでゾロゾロ歩いていたら、カラテカの入江(慎也)さんがたまたまプライベートでいらっしゃって。先輩が声を掛けて、みんなで写真を撮らせていただいたんです。そのとき、先輩が学校名を聞かれたみたいで、『有田チルドレン』という番組の原石を発掘する企画で、TBSの方が学校までいらっしゃいました。

――そんなことって、本当にあるんですね。

菜波 体育館で練習していたら、「テレビの人が来てるよ」と言われてビックリ。「番組に出てくれませんか?」ということで、素人ながら出演させていただいたのがきっかけで、今の事務所に入りました。

2年で8キロ落としてアスリート体型を改造

――その後、個人のインスタに上げたドリブル動画がバズって、「CanCam」専属モデルに抜擢。さらに『Going!』の土曜レギュラーに決まったりと、トントン拍子に来たわけですね。

菜波 そこまでが長くて。部活を引退したとき、アスリート体型だったので、2年間、死ぬ気でダイエットをしました。体重も今より全然あったし、顔はまん丸。センターでジャンプして、コートを端から端まで走っていたからか、太ももはパーンと張っていて、足首がない(笑)。巻き肩だし、普通にむくみまくって、当時のマネージャーさんには「モデルの体型でない。というか、10代の体型でない」と言われました。それで糖質制限をして、お米をほとんど食べず、2年で8キロくらい落としました。

――体型から変えるには、ただ体重を落とせばいいわけでもなくて?

菜波 そうです。内ももとか今までと違う部分を鍛えて、お尻も上げて、太ももは肉が付かないように膝はなるべく曲げないと決めました。ジムや整体にもめちゃくちゃ通って、日常生活でもずっと、オードリーの春日(俊彰)さんのような姿勢でいました(笑)。

――一番キツいのは、やっぱり食べられないことでした?

菜波 私は食べるために生きているタイプの人間ですから(笑)、2年間、正直しんどすぎて。食べたら食べたで罪悪感があるし、どっちみちストレスなんです。食べないと、街じゅうで「オムライスだ、ハンバーグだ、しゃぶしゃぶだ……」とすべてに目が行ってしまって、もうダメでした。

ドリブル動画はすぐ消すつもりでした

――でも、そういう誘惑に負けなかったんですよね?

菜波 頑張りました。もう大学生で、同年代の人たちが芸能界でどんどん活躍していた中で、私はまだ何もできてない。すごく不安で、痩せないと先はないと思っていました。みんながスイーツやオシャレなごはんを食べている横で、ヨーグルトだけで我慢。私はとにかくヨーグルトが大好きなので、何とか心の安定を保っていました。

――バスケで培った精神力もあったでしょうね。

菜波 負けず嫌いはあります。体型が何とかなってきたところで、あのドリブルの動画を上げました。最初は部活のOGの交流会で、みんながプレーする動画をストーリーに上げたんです。そしたら「マネージャーだったんですか?」と言われたので、私もやっていたんだよとドリブルを撮りました。

――「美しすぎるバスケ女子」として話題になり、1日に200万回再生されて。

菜波 すぐ消すつもりだったんですけど、「(再生数が)レディ・ガガを超えてる」と聞いて驚きました。

家でエステ店を開けるくらいになってます

――ダイエットは今も続けているんですか?

菜波 ずっと糖質制限をしていると、元気がなくなってしまうんですよね。顔もゲッソリしてしまって。それは良くないとスタッフさんにも言われて、やり方を見直しました。お昼は玄米を食べて、夜は炭水化物を抜いてサラダやおかずだけ。それで全然リバウンドもしませんし、元気になりました。私は大学で栄養学を勉強していたので、その知識も駆使して食べてきれいになろうと、気持ちが変わりました。

――運動もしていますか?

菜波 最近、ホットヨガを始めました。コロナ禍の頃にジムをやめて、家ですべてできるように整えたんです。ヨガマット、ダンベル、筋膜リリースのポールやチューブ……。ほぼ全部買って、美容機器もめっちゃあるから、エステが開けるくらいです(笑)。そっちのオタクにちょっと入って、家でほぼ毎日やってます。

――バスケをやる機会もありますか?

菜波 月に2~3回、仲間で集まって試合をしています。女性で社会人になってまでやる人は少ないので、おじさんたちに1人交ざっていたり(笑)。

――女性タレントさんでは、バスケ経験者は多いですよね。広瀬すずさんとか、桜井日奈子さんとか、

菜波 そういう方たちで集まって、チームを作れたらいいなと。でも、気をつかいますよね。絶対ケガをさせたらダメ。私、現役時代はゴール下でヒジドリルと言われていたんです。肘が尖っていて痛いらしくて、練習ではチームメイトに嫌がられて、試合になると「かましてこい!」と言われていました(笑)。

アドリブの返し方を何パターンか想定して

――『Going!』ではバスケットボール・サポーターとして出演していますが、トークも得意だったんですか?

菜波 しゃべるのは好きですけど、カメラの前に立った途端、話せなくなる感じでした(笑)。特に『Going!』のような生放送だと、とっさに振られたことに答えるのはめちゃくちゃ苦手で。事務所で番組を想定して、様々な話題にコメントを言う練習をひたすらやって、だいぶ身に付いたところはあります。

――MCの上田晋也さんとも、軽妙な掛け合いをしています。

菜波 上田さんは台本通りのツッコミは絶対しないんです。ほぼアドリブだから、何が来るかわからなくて。何パターンか想定しつつ、どう返すか考えてますけど、やっぱりそれを超えたツッコミが来ます。その対応力は課題ですけど、最初に比べたら全然返せるようになりました。上田さんに鍛えてもらっています。

――菜波さんは台本通りにしゃべっているんですか?

菜波 バスケに関しては本当に好きで、思ったことを伝えたくて。カンペとかはほぼ見ず、自分の言葉でアレンジを加えるように心掛けています。

――プロ野球のDeNAが『ポケモン』とコラボした試合の振りでは、ピカチュウのモノマネを披露していました。

菜波 あれはめちゃくちゃ練習しました。楽屋で本家の動画を観ながら、ずっと「ピカチュウ」と言っていて(笑)。V振りのときは選手の打ち方をマネしたりもするので、その都度調べて、忠実に再現するにはどうしたらいいか、すごく考えています。

――特に難しかった選手は?

菜波 ダルビッシュ(有)さんかな。投球をマネしたら、真剣にやっているのに、めちゃくちゃ笑われて動画を撮られました(笑)。手と足が連動してなくて、何か変だったみたいです。

インタビュー後編はこちら

Profile

菜波(ななみ)

1998年9月10日生まれ、東京都出身。

2019年3月より「CanCam」(小学館)で専属モデル。『Going! Sports&News』(日本テレビ系・土曜)でバスケットボールサポーター。

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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