来年の大統領選挙で与党の李在明・京畿道知事が当選したとしても文大統領の監獄行きは避けられない!?

与党の次期最有力大統領候補である李在明。京畿道知事(李知事のHPから)

 韓国の大統領選挙は10カ月先の来年5月に行われる。韓国では大統領の再選は憲法で禁じられているので文在寅大統領は自動的に退任することになる。

 現在、「ポスト文在寅」の有力候補として与党「共に民主党」からは李洛淵(イ・ナギョン)前代表と丁世均(チョン・セギュン)前首相、それに李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事の3人の名前が挙がっているが、世論調査では李知事が他の二人をリードし、独走状態にある。一方、政権交代を目指す野党陣営には政治家からは有力な候補が見当たらず、今年3月に辞任した尹錫悦(ユン・ソクヨル)前検察総長を担ぐ動きが表面化している。

 肝心の尹前総長は政界進出については沈黙を守ったままだが、大統領選出馬の意向を固め、来月にも野党第1党「国民の力」に入党するとの情報が駆け巡っている。

 次期大統領候補に関する世論調査では世論調査会社「ハンギルリサーチ」の昨年11月(11月7日―9日)の調査で尹前総長はそれまでデッドヒートを演じていた李知事と李洛淵前代表を抜いて一躍トップに躍り出て以来、常に首位を走ってきた。今月第1週の世論調査でも李知事に10ポイントの差を付けていた。

(韓国の検察総長は次期大統領になれるか? 最新世論調査から検証する)

 仮に「不正腐敗と権力型不正にはいかなる場合も背を向けず堂々と対抗し、国民から委任された法執行権限を厳正に行使しなければいけない」と公言し、「生きた権力」(文政権)の不正を追及したがために追い出された尹氏が大統領になれば、文大統領は退任後に枕を高くして寝られなというのが政界の常識となっている。文大統領にも職権濫用や地方自治体選挙介入疑惑、土地不正取得疑惑など脛に傷があり、李明博元・朴槿恵前大統領を投獄された保守野党からの報復が予想されているからだ。

 しかし、仮に李知事が大統領になったとしても、文大統領の退任後は安泰とは言い切れないようだ。李知事が与党内では非主流で文在寅派に属していないことも理由の一つだが、「韓国のトランプ」と言われるぐらい何をするかわからない「予測不能」の政治家であるからだ。

 文政権は公約である公正、公平、平等、正義を怠り,国民を裏切ったことで先のソウル、釜山2大市長選挙で大敗を喫したが、李知事は「大小に関わらず、非正常、不公正については厳重に責任を問わなければならない」と常日頃語っている。

 実際に、「李知事が大統領になれば文大統領は1年内に監獄入りする可能性がある」と主張している人物がいる。今は無所属であるが、朴槿恵前政権下で与党代表だった洪準杓(ホン・ジュンピョ)議員がその人である。

 前回の大統領選挙で文在寅大統領に敗れた洪議員は「身の安全をも守りたい文大統領の立場では李知事は最も危険な候補である」と14日に選挙区の大邱の事務室で開かれた記者懇談会で語っていた。

 洪議員はその根拠や理由については説明を避けていたが、「これだけは自信を持って言える」と、文大統領も退任後は李明博元大統領や朴槿恵前大統領と同じ運命を辿ることになるとの見通しを語っていた。

 韓国の歴代大統領は政権が交代すれば、退任後は前任者によって裁かれるのが伝統、慣習となっているが、仮に与党から与党に政権が引き継がれたとしても、同じことが言える。

 軍人出身の第12代大統領の全斗煥氏は後継者に指名した「同期の桜」の第13代大統領の盧泰愚氏によって山寺に追いやられ、盧泰愚大統領もまた政権を引き継がせた第14代大統領の金泳三氏によって全斗煥氏ともども不正蓄財で獄中に入れられている。さらに、金泳三大統領もかつて「民主化の同志」だった第15代大統領の金大中氏によって次男が収賄容疑で2年の懲役刑に処されている。

 ちなみに直近の世論調査会社「韓国ギャラップ」の調査(11-12日)では李知事が尹前検察総長を42.0%対35.1%と逆転していた。

(参考資料:「文在寅発言」よりも気になる次期大統領最有力候補の強硬な対日「3.1発言」)

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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