周期的に強弱する今年の冬型の気圧配置、週末に強まったあと南岸低気圧による関東の雪のち再度の強い冬型
一時的に弱まる西高東低の冬型の気圧配置
寒気の南下をもたらしている「西高東低の冬型の気圧配置」は次第に弱まっており、日本海側は雪や雨の降る所が多いものの、雪や雨の範囲が次第に狭まっています(タイトル画像参照)。
太平洋側は晴れる所が多く、関東から西では、日射によって寒さが和らいできました。
しかし、冬型の気圧配置の弱まりは一時的で、1月20日(金)に日本海に進んできた低気圧が北日本を通過後、冬型の気圧配置が強まる見込みです(図1)。
北日本で降り出した雪は、20日には東日本の日本海側から西日本の日本海側でも降る範囲が広がると考えられます。
21日(土)になると、北日本を中心に風が強まります。
札幌では5度以上という季節はずれの暖かさから、一気に平年より寒くなって最高気温が氷点下という真冬日になるという大きな気温変動となるなど、北海道では強い風とあいまって、体感的には、寒さが非常に厳しく感じられるとおもいます(図2)。
気象予報士の間では、寒さの目安として、上空約1500メートルの気温が使われます。
上空約1500メートルで氷点下6度は、平均的にみると地上付近の気温が3度位となりますので、上空約1500メートルで氷点下6度という温度は、地上での雪と雨の境目の温度ということになります。
この氷点下6度線は、徐々に北上して1月20日には東北北部に北上しますが、21日には関東南岸から九州北部まで南下してきます。
本州では広い範囲で平地でも降水があれば雪になる温度になるのです(図3)。
しかし、22日(日)は冬型の気圧配置は緩み、本州の南岸で発生した低気圧(南岸低気圧)によって降水域は西日本から東海地方に広がる見込みです。
南岸低気圧
南岸低気圧により、1月23日(月)の西日本は山地で雪となり、気温が低い東日本の太平洋側は、平地でも雪の降る可能性があります。
気象庁が発表した週間天気予報によると、23日は四国や九州南部、沖縄を除いた各地で雪ダルマのマークがついています(図4)。
雪が降る時間帯や雪の量は差がありますが、ほぼ日本国中で雪という天気予報になっています。
少し先の話であり、現段階では不確実性が高いのですが、東京など関東は23日午前を中心に、雪の可能性が高くなっています。
雪によって週明けの交通機関が乱れる可能性がありますので、最新の気象情報に注意してください。
今冬一番の寒気が南下
南岸低気圧が通過した1月24日(火)以降は、この南岸低気圧が日本の東海上で発達するため、西高東低の冬型の気圧配置が強まり、今冬一番の強い寒気が南下してくる見込みです(図5)。
関東上空約1500メートルには氷点下15度という寒気が南下してくる予報になっていますが、関東で上空の気温を観測している茨城県つくばでの、この高さにおける気温の一番低い記録は、昭和35年(1960年)1月24日の氷点下14.0度です。
昭和32年(1957年)の観測開始以来の最低気温の記録となるかもしれません。
上空約1500メートルで氷点下15度というと、地上付近での最高気温が氷点下という真冬日になる可能性がでてきます。
東京では、明治8年(1875年)6月の観測開始以来、真冬日が4回あり、そのうち3回は明治時代です(表)。
唯一、気温の高層観測が行われていた戦後では、昭和42年(1967年)2月12日が真冬日となっていますが、この時の上空約1500メートルの気温は氷点下12度でした。
東京の気温の予報を見ると、雲が多いなどで真冬日にはならず、1月25日(水)に最高気温は5度の予報です(図6)。
気象庁の週間天気予報では、気温予報に誤差幅を付けていますが、1月25日の最高気温が、8度から3度の間となっていますので、真冬日の一歩手前までゆくかもしれません。
タイトル画像、図4の出典:ウェザーマップ提供。
図1の出典:気象庁ホームページ。
図2、図6の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。
図3、図5の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。
表の出典:気象庁ホームページをもとに筆者作成。