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東京都心で3日連続真夏日 全国の3分の1が真夏日という暑さはいつまで続くか?

饒村曜気象予報士
暑がるビジネスウーマン(写真:アフロ)

真夏並みの暑さ

 大きな移動性高気圧に覆われ、南からの暖気流入と強い日射により西~北日本の広い範囲で気温が上昇し、真夏並みの暑さになっています。

 6月9日には、福岡県久留米で35.6度、大分県日田で35.1度、佐賀県佐賀で35.1度と、今年初めて猛暑日(最高気温が35度以上の日)を観測しました。

 6月10日は、気温を観測している全国918地点のうち、325地点(約35パーセント)が真夏日(最高気温が30度以上の日)、818地点(約89パーセント)が夏日(最高気温が25度以上の日)を観測しました(図1)。

 真夏日の観測所数、夏日の観測所数、ともに今年最多です。

図1 真夏日と夏日(6月1日~10日)
図1 真夏日と夏日(6月1日~10日)

 また、北海道でも新得で31.9度を観測するなど、東部を中心に21地点で真夏日となっています。

 さらに、東京都心では30.7度を観測し、3日連続の真夏日となりました。

週末以降は並みの暑さ

 日本列島にも猛暑をもたらした大きな移動性高気圧は、次第に東進しますので、南からの暖気流入が弱まってきます(図2)。

図2 予想天気図(6月11日9時の予想)
図2 予想天気図(6月11日9時の予想)

 今回の真夏を思わせる暑さは11日も続き、12日の週末以降和らぎますが、それでも平年より気温が高い状態です。

 全国的に熱中症に注意が必要な状態は続きます。

 また、現在は、梅雨前線が南下しながら弱まり、天気図上では消えていますが、来週になると顕在化しながら北上しますので、西日本から梅雨空が戻りそうです。

 梅雨入りしていない関東甲信地方や北陸、東北でも梅雨入りするかもしれません(表)。

表 令和3年(2021年)の梅雨入り
表 令和3年(2021年)の梅雨入り

東京の走り梅雨

 東京では5月16日頃から雨の日が連続するようになり、6月8日~10日は最高気温が30度を超え、真夏日となっています(図3)。

図3 東京の最高気温と最低気温の5月1日からの推移(6月11日~17日は気象庁、6月18日以降はウェザーマップの予報)
図3 東京の最高気温と最低気温の5月1日からの推移(6月11日~17日は気象庁、6月18日以降はウェザーマップの予報)

 図3では、東京都心で日雨量が0.5ミリ以上を観測した日と、予報に傘マーク(雨)がついている日に黒丸をつけています。

 5月中旬に黒丸が続いた日がありますが、このときは関東甲信地方の梅雨入りの発表はありませんでした。

 走り梅雨だったわけです。

東京と那覇の16日先までの天気予報

 気象庁の予報と、ウェザーマップの予報では多少違いがありますが、ともに、来週以降、東京都心では雨の日が多くなります。

 ウェザーマップの東京都心の16日先までの予報によれば、お日様マーク(晴れ)や、白雲マーク(雨の可能性が少ない曇り)は6月13日までです(図4)。

図4 東京都心の16日先までの天気予報
図4 東京都心の16日先までの天気予報

 6月14日以降は、黒雲マーク(雨の可能性がある曇り)や傘マーク(雨)です。

 降水の有無の信頼度が5段階で一番低いEとか、二番目に低いDが多い予報ですが、これだけ黒雲マークや傘マークが続いていますので、来週には関東甲信地方が梅雨入りになるとおもわれます。

 東京の梅雨入りの平年が6月7日ですので、平年より遅い梅雨入りは確定しています(図5)。

図5 東京の梅雨入り
図5 東京の梅雨入り

 一方、沖縄県那覇では、6月18日以降、白雲マークやお日様マークが増えてきます(図6)。

図6 那覇の16日先までの天気予報
図6 那覇の16日先までの天気予報

 早ければ、6月17日にも沖縄地方の梅雨明けがあるかもしれません。

 沖縄地方の梅雨明けの平年値は6月21日ですので、仮に6月17日に梅雨明けしたとすると、平年より4日早い梅雨明けになります。

 いずれにしても、暑い夏の到来です。

 エアコンを積極的に利用し、水分や塩分の補給をこまめにしてください。

 そして、コロナ禍の今年は、人との距離が取れる場所ではマスクを外すなど感染症と熱中症の両方の対策を心がけるようにしてください。

図1、表の出典:ウェザーマップ資料をもとに筆者作成。

図2の出典:気象庁ホームぺージ。

図3、図5の出典:気象庁ホームページをもとに筆者作成。

図4、図6の出典:ウェザーマップ提供。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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